th_satです。
新年あけましておめでとうございます。
Diamond Hands Magazine、ビットコインを巡るビジネス面・規制面の動向のまとめです。
ここまで過去6回にわたり(10月13日号、10月23日、11月6日号、11月20日号、12月4日号、12月18日号)、ビットコインをめぐるビジネス面の動向(ペイメントや社会生活での利用や、金融機関での金融商品としての取り扱いなど)、規制の動向、その他で気になる個別トピックについて、ゆるく紹介しています。
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それでは早速、年末年始を挟んだ直近3週間のトピックを紹介したいと思います。
1. 規制関連の動向
米Fed・OCC・FDIC、暗号資産に関する共同声明を発表(出典)
米国の連邦準備制度理事会(FRB)、連邦預金保険公社(FDIC)、通貨監督庁(OCC)が、銀行組織に対する暗号資産リスクについて、共同声明を発表しました。
2022年には、暗号資産分野における大きな変動と脆弱性の露呈という出来事があったことを踏まえ、これらの事象は、銀行組織が認識すべき、暗号資産および暗号資産部門参加者に関連する多くの重要なリスクを浮き彫りにしたと指摘しています。
主なリスクとしては、銀行がStablecoin含むパブリックチェーン上の暗号資産を保有することについて、scamリスクや法律面の不確実性、情報公開の不正確さなどを挙げて、警告しています。
その上で、オープン・パブリック・分散型ネットワーク或いは同様のシステム上で発行・保存・転送される暗号資産を発行、または元本として銀行が保有することは、安全かつ健全な銀行業務と矛盾する可能性が高いと指摘しています。
中央銀行総裁・銀行監督当局長官グループ、暗号資産に関する国際的な銀行の健全性基準及びバーゼル銀行監督委員会の作業計画を承認(出典1、出典2)
安定化メカニズムが有効でない裏付けのない暗号資産とStablecoinを、保守的なプルデンシャル取扱対象としています。
バーゼル委に、Stablecoin発行者としての銀行の役割、暗号資産のカストディアン、相互接続の広範な潜在的経路など、暗号資産市場動向を引き続き評価するよう課しています。
トピックリスト
金融庁、資金決済法等の改正に伴う政令や内閣府令などの整備案について、意見公募手続(パブリックコメント)を開始(出典)
ブラジル大統領、Bitcoinを決済手段や投資資産として使用できる価値のデジタル表象物として認める法案を承認(出典)
ブラジル証券委員会、ファンドが株式や債券などの他の投資資産と同等の保護を受けながら暗号通貨に投資可能とする規則を承認(出典)
2.ビジネス関連の動向
欧州からフィリピンへLightning Networkを用いた送金が可能に(出典)
CoinCornerが、東南アジアに拠点を置くLightningサービスプロバイダーであるPouchと提携し、英語と欧州の顧客はフィリピンへ送金が可能になりました。
CoinCornerのLightning Networkを用いたSend Globally機能を使って、高速で安価な送金オプションを提供するものです。
Send Globally機能は、法定通貨をBitcoinに変換した上で、Lightningを介して受け手に送金し、受け手はこれを法定通貨に変換することによって、グローバルな決済を瞬時に行うものです。
CoinCornerは、ガーナ、ケニア、ナイジェリアといったアフリカ向けにも、Send Globallyを使って送金可能としており、今回のフィリピン向けはこれに続くものになります。
なお、フィリピンでは、ボラカイ島で、上述のPouchによるBitcoin普及にむけた「Bitcoin Island」の取り組みが注目されています(出典, 出典2)。
大小約120の企業がBitcoinで支払できるようにサインアップしているとされ、観光を促進しながら、完全にBitcoinで動くマイクロエコノミー確立を目指していることから、フィリピンにおけるBitcoin/Lightningの更なる普及が期待されます。
SBI金融経済研究所、「次世代金融に関する一般消費者の関心や利用度に関するアンケート調査」結果を発表(出典)
2022年8~9月に実施した、暗号資産等の次世代金融商品に関する一般消費者の関心や利用度に関するアンケート調査の分析結果が公表されています。
日本、米国、英国、ドイツ、中国、韓国の6か国で、同時期に同じ内容の質問で調査を行った(調査対象は日本が1万人、他の5か国は各2千人、合計2万人)ところ、暗号資産等の認知度は、6か国のなかで日本が最も低いことがわかったとしています。
暗号資産等への投資スタンスも、日本が最も慎重であり、その背景要因として、日本では、他の5か国よりも、暗号資産等に対するネガティブな意見が強いことがみてとれる、とのことです。
一方で、調査時点で暗号資産等を保有している人については、日本においても、他の5か国と同様に、暗号資産等に対するポジティブな意見が強く、先行きの投資方針も積極的であると指摘しています。
トピックリスト
マイニング大手のCore ScientificがChapter 11申請へとする報道(出典)
Arcane Research、BinanceがBTCスポット市場の取引量の92%を占めているという、のレポートを発表。一方、BinanceのBTC残高は、取引所で保有されるBTCの25%とのこと(出典)
Digital Currency Group (DCG)、ウェルスマネジメント子会社をクローズ。同じく子会社であるGenesisもジェネシスも従業員の30%をレイオフ。昨年末にはGenesis債権者委員会がDCGの流動性問題を示唆している(出典)
Digital Currency Groupとその子会社間の内部送金をめぐり当局の捜査が動いているとの報道(出典)
Silvergate銀、約200人(従業員の40%)という大規模レイオフを発表(出典)
今年も、様子をみながら、少しずつ発信していければと思いますので、よろしくお願いします!