Diamond Handsの2023年の振り返りと、2024年に残された課題
新年明けましておめでとうございます!
というわけで本当は去年の年末にやっておくべきだった気もしますが、これから数記事に渡って去年の振り返りと、今年の抱負や予想をしておこうと思います。
まずは元旦ということで、新年の挨拶と手短に去年のDiamond Hands周りの主な活動の振り返りと、今年に向けての課題などについて考えてみましょう。
RGB研究開発とレポートの公開
去年の前半はフルグルからの支援とRGBコア開発グループとの縁もあり、RGBに関する開発や、ビットコイン上のClient-Side Validation型のプロトコルに関するレポートの公開をしました。
RGBプロトコルを利用したウェブウォレットShiro Walletのアルファ版を苦労しながらもなんとかリリースできましたが、実際にRGBプロトコルを触った感触としては設計としてはよく出来ているという理解が進んだ一方、まだまだ開発環境の整備に課題がありそう、という感じでしょうか。
ただし、去年一年でRGBはライトニング対応などにも進捗があり、Lightning Labsが主導するTaproot Assetsの方も少しづつ開発者がいじれる環境が出てきているので、ライトニング上でのトークンの送受信、特にステーブルコインの運用というテーマは今年も重要テーマの一つでしょうし、DHとしても実際に開発してみた知見を活かして今年もこの領域で何かしらまた動いていく可能性はありそうです。
DH Payのプロトタイプの開発とOrdinalsの実験
IndieSquareと共同で記念Ordinalsコレクションの公開と、日本の規制に沿った形でライトニング決済を対応できるソリューションとしてのDH Payのプロトタイプを公開しました。
日本市場向けビットコイン・ライトニング決済ソリューション「DH Pay」 IndieSquare社のNFTプラットフォーム統合に関するお知らせ
DH payはHodl invoiceなどの仕組みを使って、カストディを持たない形で国内企業がライトニング決済を対応しやすいソリューションを設計したものですが、ただ公開後の反応、またその他のプロジェクトとの兼ね合いも含めて一旦こちらは停止しています。
ライトニングの決済ソリューションは将来的に何かしらの形で再挑戦する可能性もありますが、まずは自分たち自身で単独で売り出せるサービスを作るか、企業からのライトニング決済の需要をもう少し待った方がいいかな、というのが率直な印象です。
また、当時まだ比較的新しいコンセプトであったOrdinalsの仕組みやエコシステムを理解する上でも記念Ordinalsを発行してみましたが、その後のOrdinalsエコシステムの方向性(投機需要しかないBRCトークンの大量発行など)などを観察しつつ、これは個人的にはいまいち推進したくないな、ということで一旦こちらも追加でのOrdinals関連NFTの発行や開発はしていません。
なお、記念Ordinalsトークンを買ってくれた人は、連絡いただければDH Magazine Proの永年購読無料化などの対応をするので、是非ご連絡ください。色々不透明な中で実験と分かった上で購入してみてくれてありがとうございます。
海外カンファレンス参加
去年は複数の海外カンファレンスでDiamond Handsと日本市場を代表して登壇する機会がありました。
特に久しぶりに海外勢と直接話をする機会になったベトナムのライトニングカンファレンスが記憶に残っていますが、他にも香港、タイなどのカンファレンスにも参加して各地のコミュニティの成長や変化をみてきました。
海外カンファレンスの参加は楽しいですし、繋がりを広げつつ海外の人たちに向けてアピールしていくことも重要ですが、去年はまだまだプロダクトや具体的な形があるものとして海外勢にも提供できるものを作るところまで行かなかったのが課題として残りました。今年前半は特に海外カンファレンスの参加などは一部こなしつつも開発やプロダクト面でのアウトプットを重視していくつもりです。
また、去年日本でもライトニングのカンファレンスをやろうという気持ちや要望する声もあったのですが、結局カンファレンス自体の数が多かったので日本での開催には至りませんでした。
今年は対外的なアピールも含めて日本で海外勢も含んだカンファレンスを開催することは確実にやるべきと考えているので、今年後半のビットコインカンファレンス開催に向けてすでに一部動き始めています。
DH Swapアップデートとルーティングランキングの公開
去年はルーティング関連に関してはそこまで積極的に取り組めなかった部分もありますが、BoltzベースのDH Swapを更新したり、実験的なルーティングランキングを公開したりしました。Swapサービスが今後も重要になりそう、という認識はBoltzのLiquid Swapが今重要なポジションを取りつつあることも含め変わっていません。
ちなみにDHノード自体のルーティングは最近オンチェーンFeeの高騰もありむしろ好調くらいで、ルーティング収益だけでもある程度の収益性を上げられそうな目処は付きつつあります。また、今後Peerswapなどに対応していくことで、Swapをベースとした収益も結構上げられるんじゃないかと思っています。
とはいえ現状の優先順位はルーティング自体の最適化というよりは、Lappsに付属するLSPとしての機能性の重視と、LSP周りの送金需要の創出が重要だと思っており、来年Lapp提供を通してDHノードのルーティング自体もさらに活発になっていくとう青写真を描いています。
DH Magazine Pro公開
一昨日から無償提供していたDH Magazineのコンテンツの一部を去年9月から有料化、Proコンテンツ提供を始めました。
こちらの方は自分が感じたことや考えたことなどの共有だけでなく、Proの読者なども巻き込みながら国内のビットコイン普及活動の新しい取り組みを進めていくことを目的に始めましたが、一定以上のユーザーにすでに支援、賛同してもらいつつ、これをきっかけに聖地開拓企画、高円寺ライトニングフリマ、初心者向けサイトの構築(鋭意準備中)、など収益化だけではなく、新しい挑戦をするきっかけになっていったという点で非常に意義があったと思います。
Pro版は今年もいい意味でカジュアルに自分でも楽しみながら色々発信していこうと思うので、まだの人は是非こちらにも登録してDHのコミュニティ活動を支援しつつ、普及の前線を一緒に楽しんで欲しいです。
なお、高円寺ライトニングフリマで衝撃的な押し込まれを喫したビットコイナーたちですが、すでにリベンジの為の企画準備が始まっており、近くまたライトニング決済をテーマにしたイベントが開催される見込みです。
他にも細かいことで去年取り組んだことはたくさんありますが、一旦振り返りはこんな感じで。
次以降の記事では去年の予想の振り返りと、今年の業界の予測、もう少し細かい部分で個人的に注目しているライトニングトレンドなどを発信していく予定です。