ドル崩壊を生き延びる知恵【後編】/ 2026年、取引所のビットコインは枯渇する?── 加速する上場企業の“BTC買い”
マイケルセイラー
僕は、「これ(ビットコイン)を会社の戦略にするべきだ」と考え始めました。
でもね、社内の誰もが反対だったんですよ。
法務チームは「そんな不確かなものを買うのは無謀です」と言い、財務チームは「現金の方が安全です」と言った。
監査法人や社外取締役も、「ビットコイン? それは非常にリスキーだ」と。
つまり、99%の人が「やめておけ」と言ってきたんです。
でも、僕には明確な確信があった── 「もしこれを今やらなかったら、うちの会社は静かに死ぬ」って。
それで、僕は社内にこう説明しました:
「2つの選択肢がある。1つは、5億ドルを現金で保持して、購買力を失っていく道。もう1つは、5億ドルを経済的エネルギーの“無期限保存装置”に変換する道。
その装置とは──ビットコインだ」
結局、社内の人間を全員説得しきることはできなかった。
でも、十分な理解と合意を取り付け、少しずつ動き始めたんです。
最初は小さく── でも、明確な意思を持って。
そのときの僕の思考は、こうです:
「これはもはや“投資”ではない。これは“企業の生存戦略”だ」
市場の誰もが眠っている今がチャンス。
世の中が恐怖と混乱に包まれている今だからこそ、動く価値がある。
そしてなにより── 今のドルは、もはや“価値の保存手段”ではない。
それから、僕たちは社内規定を変更し、監査対応を整備し、株主への説明責任も果たしながら── ついに初の大規模購入に踏み切った。
その額、2億5,000万ドル。
企業としてビットコインを購入した初の大手上場企業になった瞬間でした。
こんにちは!yutaro です。
本日の「BTCインサイト」は、Jordan B Peterson氏によって公開されてたMichael Saylor氏へのインタビュー動画、後編(最終回)です。
最終回の後編は、マイケルセイラーのパートのみに絞り、日本語訳・編集して【全公開】させていただきます。
(※全文書き起こし【後編】です / 前編 & 中編 もどうぞ)
本日のトピックス:
ある億万長者が知る「ドル崩壊を生き延びる知恵」|マイケルセイラー【後編】
2026年、取引所のビットコインは枯渇する?── 加速する上場企業の“BTC買い”
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ビットコイン購入を決断した企業の初動と反響
僕たちが最初に2億5,000万ドル相当のビットコインを購入したとき、ほとんどの人は「正気の沙汰じゃない」と言いました。
「CEOが気でもふれたのか?」「会社が暗号通貨に賭けた」と。
でも、僕にとってはごく理性的な判断でした。
現金を持ち続けることが最大のリスクだった。
むしろそれを放置することこそが、「確実な死」だと思っていたんです。
人々はこの行動を“投機”と呼びましたが、
僕にとっては明確な「通貨崩壊に備える戦略」でした。
僕たちは企業として“無限のインフレ”にどう向き合うのかを考えていたのです。
数週間後、僕たちの株価は跳ね上がりました。
市場が反応したんです。
「企業が現金をビットコインに変える」
この事例は前例がなかった。
でも、その一歩が確実に潮目を変えました。
やがて、スクエアやテスラなど他の上場企業も追随しはじめました。
小さなドミノが倒れたことで、企業経営における“資本の保存”という概念そのものが再定義されつつあったのです。
ビットコインは単なる金融資産ではない。
それは、企業・個人・国家が「経済的自由」を再獲得するための道具です。
僕の言葉を使えば── ビットコインは「火」です。
火は文明を築く道具であり、同時に使い方を誤れば危険にもなる。
だが、人類は火を恐れず、制御し、活用して文明を進化させてきました。
ビットコインも同じです。
それを理解した瞬間、僕には迷いはありませんでした。
ビットコインは「平和的な戦争手段」である
このとき僕は、ある種の確信にたどり着きました。
「これは戦争なんだ」と。
ただし、これは銃やミサイルではなく、経済的自由をかけた“非暴力的な戦争”です。
国家が通貨を操作し、インフレを加速させ、預金封鎖や資本規制で市民の財産をコントロールしようとする── そういった抑圧に対して、個人が取れる唯一の手段。
それがビットコインです。
もしあなたが、中央銀行によって通貨が30%も40%も減価する国に住んでいるとしたら?
もはや「銀行口座に預けておけば安全」などという時代ではない。
あなたの労働の対価は、静かに消されていく。
しかも、誰も銃を向けてくるわけじゃない。ただ数字がすり減るだけだ。
それに対抗するには、「価値を保存するためのプロトコル」が必要だった。 ── それがビットコイン。
だから僕は断言します。
ビットコインは、銃を持たない者たちが戦うための“最後の手段”です。
そしてそれは、政府を転覆するための武器ではなく、自由を守るための盾なんです。
通貨の自由は「国家」からの独立を意味する
ビットコインが教えてくれたのは、「国家に依存せず、個人が経済的に主権を持つことが可能である」という事実です。
たとえば、もしあなたが
・中南米やアフリカの新興国に生まれ
・信用できない政府に管理される通貨しかなく
・財産を保護する法制度もなく
・銀行にすらアクセスできない環境にいたとしたら──
それでも、スマートフォン一つとビットコインがあれば、あなたは世界経済に参加できる。
それは歴史上初めて可能になったことなんです。
僕はかつて、こう信じていました。
「自由を守るのは国家だ」と。
でも今は違う。
国家は必ずしも自由の守護者ではない。
ときにそれは、自由の制限者になる。
とくに通貨の分野においては、顕著にそうなる。
そしてここが重要なポイントです:
国家が「法の支配」を尊重し、「財産権」を守る限りにおいて、国家は正統性を持つ。
だが、法を曲げ、通貨を乱発し、個人の経済的自由を奪い始めたとき── その国家は、もはや正統な秩序とは呼べない。
だから僕は、ビットコインを「21世紀の法の支配を支える新たな土台」と見なしているんです。
「分散型市民」として生きる時代へ
僕が気づいたのは、これからの時代、人々は“国家に属する存在”から、“分散型市民(sovereign individual)”へと変わっていくということでした。
つまり、
・自分の資産を自己管理し、
・どの通貨を使うかを自ら選び、
・どこで働き、どこに住むかも選択できる──
そういう個人が、インターネットとビットコインによって、国家からの「金融的独立性」を手に入れるんです。
これは何かを壊すための思想ではありません。
むしろ、これまで国家が独占してきた機能── 教育、金融、インフラ、法──が、テクノロジーによって“再構築”されつつあることへの自然な応答です。
僕はこう考えています。
国家は、個人にとって“サービスプロバイダ”になるべきだ。
つまり、税金を払う代わりに、法と秩序とインフラを提供する存在であるべきなんです。
でも、現実には多くの国家が
・サービスの質を落とし、
・自由を奪い、
・経済的圧迫を加え、
・通貨を崩壊させてきた。
だから、個人が国家に“契約を解除”し始めたんです。
物理的に移住できなくても、ビットコインを持つことで「経済的亡命」ができるようになった。
通貨を選ぶ自由は「思想の自由」と同じくらい重要だ
僕たちは、「言論の自由」や「信教の自由」を当然の権利だと考えています。
でも、なぜ「通貨を選ぶ自由」はそれと同じくらい重要だとは考えないのでしょうか?
もし政府が、「この紙を使いなさい」と強制し、その紙の価値を勝手に変えてしまうとしたら── それは、経済的な強制であり、自由の侵害です。
ビットコインは、こうした強制に対する“逃げ道”であり、同時に“希望”でもあります。
自分の時間と労働の価値を、誰にも毀損されない形で保存できる。
他人の許可なしに、地球の裏側の誰かと価値を交換できる。
誰にも凍結されず、奪われず、検閲されない。
そうした「経済的な自己決定権」が、これからの時代の土台になると僕は信じています。
そして、これはテクノロジーの話ではありません。
人間の尊厳の話です。
僕は信じています。
ビットコインは、
・自分の命を守りたい人
・家族を守りたい人
・不正に立ち向かいたい人
・希望を失いかけている人
──そんな人たちに、再び「選択肢」を与える存在になる。
それが、僕がここまでやってきた理由です。
ビットコインは人類に与えられた“やり直す機会”
最後に僕はこう伝えたい。
ビットコインは、ただの技術革新ではありません。
それは、人類が「もう一度ゼロからやり直す」ためのチャンスです。
僕たちはこれまで、中央銀行、戦争、金融危機、インフレ、腐敗、検閲── 数えきれないほどの破壊と抑圧を経験してきました。
でもビットコインは、そこから抜け出すための“非暴力の武器”であり、未来に向けての“新しい土台”を築くためのツールです。
「あなたは何に時間を使ってきたのか?」
「その成果は、誰によって、どのように記録されているのか?」
この問いに対して、これまでの通貨システムは答えられなかった。
でもビットコインは、明確な答えをくれる。
それは──「Proof of Work(仕事の証明)」です。
労働の記録を、永遠に改ざん不能な形で刻む。
誰かが命がけで積み上げた努力が、絶対に消えないという保証。
それがあるだけで、人は希望を持てる。
だから僕は言います。
“Nothing stops this train.”(この列車は止まらない)
この動きは、もはや誰にも止められない。
そしてあなたも、この新しい自由の列車に乗ることができる。
自分の意志で、今日からでも。
2026年、取引所のビットコインは枯渇する?── 加速する上場企業の“BTC買い”
(※本記事は、@LukeMikic21氏のXポストをもとに要約・編集したものです)
2025年6月だけで、27社の新たな上場企業がビットコインを財務資産として採用しました。
これは、1日あたりほぼ1社がビットコインを買い始めているペースです。
現在、世界で130社の上場企業が、合計81万BTCを保有。
単純平均すると、1社あたりの保有量は約6,307BTCとなります。
採掘量 vs. 企業需要のギャップ
現在、1日に新たに採掘されるビットコインは450BTC。
年間では164,250BTCです。
仮に現在のペースで新規企業が参入し、それぞれが平均6,307BTCを目指して積み上げた場合──
1年間で約2,302,307BTCの需要が新たに生まれることになります。
これは、供給(マイニング)を14倍以上も上回る数字です。
現存企業の“継続買い”が与える圧力
重要な点は、既存の130社がビットコイン購入を止めたわけではないことです。
事実、彼らは過去6ヶ月で約60万BTCを購入しています。
このペースを1年間続ければ、さらに120万BTCが企業に吸収されることになります。
新規:230万BTCの理論需要
既存:120万BTCの実際的な継続需要
⇒ 合計:約350万BTCの企業需要
しかし、市場に残されたビットコイン(取引所流動在庫)は約240万BTC。
このままのペースが続けば、2026年6月には枯渇するという予測が導き出されます。
モデルは時代遅れになったのか?
従来の「ストック・トゥ・フロー(S2F)」や「パワー・ロー(べき乗則)」といったモデルの限界なのかもしれません。
これらのモデルは、
大口資本による本格参入がなかった2008〜2020年のデータ
取引所残高が増え続けていた時代
を前提としたもの。
しかし現在は、企業、国、ファミリーオフィスといったプレイヤーが「実需」をもって参入してきており、データ構造そのものが根本から変わっているとも言えるのです。
(※原文はコチラ)