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「制度は“実装”で変えられる」──アジャイルエナジーX・立岩健二氏が語る“ビットコインの公共的可能性”【前編】

「制度は“実装”で変えられる」──アジャイルエナジーX・立岩健二氏が語る“ビットコインの公共的可能性”【前編】

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yutaro
Jul 26, 2025
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「制度は“実装”で変えられる」──アジャイルエナジーX・立岩健二氏が語る“ビットコインの公共的可能性”【前編】
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立岩健二氏:

再生可能エネルギーの余剰分を活用して、それをビットコインマイニングでマネタイズするというアイデアを提案したんですが、誰にも理解されませんでした。

Alexandre Stachtchenko氏:

一部のマイナーは、マイニング以外のユーティリティサービスの提供だけで、収益の50%を得ていることもあります。

立岩健二氏:

ある価格帯になれば、メディアとビットコインマイナーの利害が一致するポイントが来るはずです。

Alexandre Stachtchenko氏:

ビットコインマイナーは、当然ながら「やる・やらない」の切り替えが柔軟にできます。でも、どの程度の柔軟性なんでしょうか?

立岩健二氏:

数ミリ秒で止められますよ。プラグを抜けば、マイナーはすぐにシャットダウンします。

Alexandre Stachtchenko氏:

ビットコインマイニングのもう一つの利点は、すでに「ここにある」ということです。機能しているんです。実証に10年の研究開発なんて必要ありません。

立岩健二氏:

大気中のCO₂から人工ダイヤモンドを合成できることも、すでに証明されています。

Alexandre Stachtchenko氏:

デジタルゴールドから物理的なダイヤモンドを生み出すなんて、なんとも美しい表現ですね。


こんにちは!yutaro です。

本日のPro向け「BTCインサイト」では、昨年のBitcoin Tokyo 2024でも登壇され注目を集めた、再エネ×ビットコインの旗手・立岩健二さんのインタビュー動画を取り上げました。

立岩さんは、再生可能エネルギーの地産地消を推進するスタートアップ「アジャイルエナジーX」の代表として、次世代の分散型エネルギー活用に挑んでいます。


1時間超におよぶボリューム満点なインタビュー動画ですから、前編、中編、後編と3回に分けさせていただきました。

(※中編はコチラ)


Alexandre Stachtchenko氏:

みなさんこんにちは。ご視聴ありがとうございます。私はアレクサンドル・スタシュチェンコ、フランスにあるBitcoin National Instituteの代表です。

本日は、日本の東京電力の子会社であるAgile Energy Xの創業者兼CEO、立岩健二さんをゲストにお迎えしています。

彼はビットコインマイニングと原子力エネルギーに深く関わってこられた方で、今回は彼の専門分野と、エネルギーグリッドにおけるビットコインマイニングの有用性についてお話を伺っていきます。

こんにちは、健二さん。

立岩健二氏:

こんにちは、アレクサンドル。お招きいただきありがとうございます。
ボンジュール。こんにちは、元気です。こんにちは!


立岩氏の自己紹介とキャリア

Alexandre Stachtchenko氏:

さっそくですが、あなたはこれまでエネルギー分野でキャリアを積んでこられましたよね。特に東京電力での歩みや原子力工学におけるご経験について、簡単に教えていただけますか?視聴者があなたの専門性を理解しやすくするためにお願いします。

立岩健二氏:

はい。私は日本の京都大学で原子力工学を専攻し、学士と修士を修了しました。
1996年に東京電力、つまりTEPCOに入社し、最初は福島第二原子力発電所で勤務していました。これは福島第一原発の姉妹プラントです。

キャリア初期には本社の原子力技術部門に異動し、GE、東芝、日立といった企業と連携しながら、次世代型原子炉の安全設計を主導していました。

2000年代初頭、Enron(米国のエネルギー企業)が日本のパワーマーケットに参入したことを受けて、「工学だけでなくビジネスも学ぶ必要がある」と感じ、スタンフォード大学でMBAを取得しました(2004年修了)。

MBA修了後、TEPCOの原子力部門から国際部門へと社内転職し、オーストラリアの石炭火力発電プロジェクトに関わりました。ただし私の本当の目標は、TEPCOの国際原子力事業を立ち上げることでした。


立岩健二氏:

2006年、NRG Energy(アメリカのエネルギー会社)が、テキサス州のサウステキサス原子力発電所に2基の原子炉を新設する計画を立てていました。彼らはTEPCOに協力を求めてきたのです。なぜなら、TEPCOはGE、東芝、日立と共にABWR(改良型沸騰水型原子炉)を開発し、世界初のABWRを日本に建設した経験があるからです。

NRGは、テキサスにABWRを建設したいと考えていたため、TEPCOにその支援を求めました。私はこのプロジェクトの責任者として、TEPCO初の国際原子力事業を推進しました。そして2010年、TEPCOはNRGとの契約を締結し、日本の電力会社として初めて国際原子力プロジェクトへの資本参加を果たしました。

私はこの新設原子力プロジェクトに取り組むため、アメリカへ赴任する準備をしていました。

しかし、2011年3月11日、大地震が発生し、続く津波によって福島原発事故が起こりました。私はその渦中におり、フランスの原子力産業をはじめとした国際機関と連携しながら、TEPCOがこの重大事故を乗り越える支援をしてもらっていました。

その後、2011年9月からはTEPCOのワシントンD.C.オフィスに駐在し、4年間にわたって、福島事故から得られた教訓を米国に向けて発信する役割を担いました。

2015年に東京へ帰任した後は、福島第一原発の廃炉プロジェクトや、英国での原発新設計画「ホライゾン・プロジェクト」に、日立と共に関わりました。ただしこのプロジェクトは残念ながら数年後に中止となってしまいました。


2018年、ビットコインマイニングという「ひらめき」

立岩健二氏:

この英国プロジェクトに関わっていた2018年、私は新しいアイデアを思いつきました。それが、ビットコインマイニングによって、余剰または行き場を失った再生可能エネルギーをマネタイズするというアイデアです。

このアイデアは、TEPCO社内のスタートアップ制度を活用して、Agile Energy Xとして結実することになりました。

Alexandre Stachtchenko氏:

なるほど。つまりあなたは、最近になって原子力から再エネ領域に大きく舵を切ったわけですね?

立岩健二氏:

そうです、その通りです。

Alexandre Stachtchenko氏:

本題に入る前に、最近ヨーロッパで起きた出来事について触れさせてください。2024年4月20日、スペインとポルトガルで大規模な停電が発生しました。

今時点ではその原因すべてが判明しているわけではありませんが、エネルギー専門のジャーナリストであるブルームバーグのハビエル・ブラス氏によれば、これは「グリーン電力時代における初の大停電」と呼ばれています。

あなたはこれについてどう思いますか?これは電力グリッドのバランスという、エネルギー転換において軽視されがちな課題に対する警鐘だと思いますか?

立岩健二氏:

スペインとポルトガルで何が起こったのか、詳細は私も把握していませんが、一つ確かなのは、スペインは変動型の再生可能エネルギーへの依存度が非常に高まっているということです。

日本も「2050年までにカーボンニュートラルを達成する」という政府の方針があるため、スペインのように変動型再エネ(風力や太陽光)を増やしていく道をたどっています。

これは一種の警鐘かもしれません。というのも、変動型再エネが増えると、グリッドの「慣性」が下がるからです。慣性が低下すると、系統の安定性に影響が出る可能性があります。
ですから、日本の電力会社は、このスペインのケースをしっかりと研究し、同様のことが日本で起こらないようにすべきだと思います。


グリッドの「慣性(inertia)」とは何か?

Alexandre Stachtchenko氏:

「グリッドの慣性」とあなたはおっしゃいましたが、視聴者のためにもう少し詳しく説明していただけますか?
慣性とは何か、そしてそれが、例えば需要が急に落ち込んだり、逆に急増したりした場合に、どのように問題となるのか、解説していただけますか?

立岩健二氏:

はい。グリッドにおける「慣性」というのは、かつての電力系統が、火力発電、原子力発電、水力発電といった重い回転体を使った発電に依存していたことに由来します。
これらの発電方式では、タービンや発電機といった質量のある機械が回転しており、その回転が電力網(グリッド)と同期しています。周波数としては、地域によって50Hzまたは60Hzですね。

で、何かしらの外乱――例えば発電量が急に落ちたり、需要が急に増えたりといった変動があっても、この「重い回転体」による慣性があるおかげで、グリッドの周波数はある程度保たれます。
つまり、いきなり周波数がゼロになったり、大きく変動したりはしにくいのです。

ところが、太陽光や風力のような再生可能エネルギーは、グリッドと「同期」しておらず、また回転体も使っていません。
つまり、慣性がほぼゼロか、あっても非常に小さいんです。

そのため、グリッドの周波数に乱れや変動が生じた場合、重い回転体があるグリッドではその影響が抑えられるのに対し、太陽光中心のグリッドでは慣性が低いため、周波数が大きく変動しやすくなります。


Alexandre Stachtchenko氏:

なるほど。つまり慣性が小さいということは、たとえば今回のスペインで起きたような事態――たとえば発電が一部停止した場合などに、グリッドが対応しきれず、セキュリティ保護機構が働いて全体が遮断される、ということが起きやすくなるということですね?

立岩健二氏:

その通りです。
慣性が小さいと、グリッド周波数が乱れた際に、それを検知して対応するまでの「猶予時間」が短くなります。
一方、慣性が大きければ、その間に対処する余裕が生まれます。


スペインとポルトガルでの停電は「5秒以内」で起きた

Alexandre Stachtchenko氏:

スペインとポルトガルのケースでは、現時点で電力系統のオペレーターが発表している情報によれば、すべてが「5秒以内」に起こったとのことです。
かなり早い反応が必要になりますね。

立岩健二氏:

はい、それは非常に速いです。


Agile Energy X の設立と、その背景


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Koji Higashi
·
September 4, 2023
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