揺れ動くステーブルコイン情勢── Tether、Stripe、銀行、そしてビットコインの優位性
――僕たちの同僚で友人でもある人が、「Tether on Tronはすでに勝った」と言っていたよね。
それも、ほぼ独占的で、もはや揺るぎない地位を築いたという意味で。
だから「もうその戦いはやめて、先へ進めばいい」と。――確かに、現時点でナンバーワンなのは事実だ。
Tetherは最大の発行量を誇るステーブルコインであり、Tether on Tronの組み合わせはトップ。
これはデータを見れば誰でもわかることだ。――でも、シェアが100%近くになって他がすべて消えるなんてことは、まずあり得ないと思う。
実際には、新しいステーブルコインの発行が爆発的に増えているし、
そこからは無数の組み合わせ(ペア)が生まれている。――それに「Genius Act(ジェネシス法案)」という法律枠組みの後押しもあって、今後さらに増えるだろうね。
ただ「発行が増える」のと「実際に使われる」のは別の話で、
現状ではまだ利用拡大はそこまで進んでいない。――でも例えば、先週ワイオミング州が独自のステーブルコインを発行した。
こうした動きを支えるのがGenius Actで、これからは銀行や州政府、さらには連邦政府レベルでも次々とステーブルコインを作るようになるだろう。
こんにちは!yutaro です。
本日のPro向け「BTCインサイト」では、人気YouTube:Presidio Bitcoinで発信されたステーブルコイン周りの話題と、それでもビットコインが優位な理由について取り上げます。
規制や企業の思惑が複雑に絡み合う中で、ビットコインの立ち位置が際立って見えてくるの点が面白く、とても興味深い内容でした。
――もし僕がワイオミング州の住民だったら、どうなるんだろう?
銀行にドルを預けてその州のステーブルコインを受け取れるとして、それを何に使う?
ワイオミングの他の人に払うだけ?
それともブエノスアイレスに行っても使えるくらい互換性があるのか?
――大きな利点から言えば、まず24時間365日の決済が可能になることだね。
銀行の休日なんて関係なく、いつでもどこでも送金できる。
君が言ったようにアルゼンチンに行っても、スマホアプリからドルで支払える。
これがステーブルコインに期待されている「理想の姿」だ。
――もし僕がJPモルガンのステーブルコインを使っていて、相手がTether on Tronを受け取れるウォレットを持っていたら、
互換性を気にせず支払いができたら最高だよね。
そうなれば、世界中で誰もがドルで支払い合える。
――でも、もしゴールがインターオペラビリティ(相互運用性)と24時間決済なら、
最初から1つのステーブルコインに収束すればいいんじゃないか?
――いや、それはビジネス上の理由で無理だ。
みんな利回り(yield)を狙っているから。
銀行の競争(Bank Competition)
――だって考えてみてよ。Tetherはすでに莫大な利益を上げているんだ。
もし僕が銀行だったら、同じことをしたいと思うよね。
大規模な顧客基盤を持っているのに、その人たちに配るデジタルドルで得られる利益を、わざわざTetherやCircle、Coinbaseなんかに渡す理由はない。
――補足すると、ここでいう「利益」っていうのは、裏で米国債を保有して、その利回りを受け取っているってことなんだ。
今なら4〜5%の利息がつく。
ユーザーはドルにアクセスできるし、Tether側はその利回りを総取りできる。
つまりTetherは、何十億ドルもの資産を抱えて米国債を運用しているだけで利益を生み出すという、ある意味Google以来の最高のビジネスモデルとも言える。
――しかも従業員1人あたりの利益率で見れば、Googleを超えているくらいだ。
――だからこそ、先週話題に出たように、StripeやParadigmが「新しいレイヤー1(Tempo)」を開発しているんだろうね。
これはステーブルコイン専用のレイヤー1を目指している。
――なるほど。要するに彼らは、CoinbaseのBaseチェーンに独占されるのを防ぎたいってことだよね。
だから基盤となるプラットフォームの競争があり、その上でステーブルコイン発行の競争がある。
どちらのレイヤーも、最終的にどれほど競争的になるのかはまだ分からない。
――現状では確かに選択肢がたくさんあって競争は激しい。
でも今後は統合(consolidation)が進むだろうね。
もちろん今リードしている側は、相互運用性を高める技術に投資するインセンティブは少ない。
――とはいえ、Tetherでさえ最初はBitcoin、Ethereum、Tron、Solanaなど、複数のチェーンで発行してきた。
今ではTaproot AssetsやRGBベースの仕組みを使ってBitcoinに戻る動きも検討している。
つまり、Tetherでさえ基盤となるチェーンには依存せず、相互運用性を必要としている。
顧客体験を向上させるためには避けて通れないんだ。
――確かに、TetherはTronに縛られるのを嫌がっているだろうね。
だってTronはTetherのものじゃないから。
――ただ僕が心配なのは、さっきの「なぜ複数のステーブルコインが存在するのか」という問いなんだ。
JPモルガンは顧客基盤があるから独自のコインを出したいのは分かる。
でももしそのコインが他では使えないとしたら、顧客にとって本当に価値があるのか?
――いや、そこは相互運用性を前提にすれば解決する。
顧客は「このコインがどのチェーンか」なんて気にしなくていい。
裏で仕組みがつながっていれば、ただ「使える」だけでいいんだ。
――じゃあ、なぜ顧客はTetherではなくJPモルガンのデジタルドルを選ぶんだ?
――それは簡単だよ。
多くの顧客はTetherなんて聞いたこともないし、もし聞いたことがあっても、ネガティブな噂ばかりで「詐欺っぽい」と感じている。
一方で、JPモルガンは30年も付き合ってきた銀行。
だから「どちらを信頼するか」といえば、答えは明らかだ。
――確かに、もし相互運用性が完全に解決されれば、どのステーブルコインを選んでも差はなくなる。
でもだからこそ、銀行は自分たちの顧客基盤にデジタルドルを提供する意味がある。
新しい顧客を奪うためではなく、既存顧客を囲い込むためにね。
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