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Diamond Hands Magazine、ビットコインを巡るビジネス面・規制面の動向のまとめです。
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それでは、早速直近2週間のトピックを紹介したいと思います。
1. ビジネス関連の動向
Strike、米国顧客向けに「Bill Pay」をローンチ(出典)
Strikeが、Bitcoinや現金を使って、Strikeアカウントから直接請求書支払を自動的に行う「Bill Pay」を発表しました。
クレジットカードの支払い、電話料金、公共料金など、独自の Strike アカウントとルーティング番号を使用して請求書を自動的に支払い、すべてをBitcoinで支払うことができるというものです。
背景となる課題認識として、多くの場合、請求書の支払いには、Bitcoinを売却し、資金を銀行口座に送金し、決済を待って、最終的に支払いを行う必要があり、時間と費用がかかるとされます。
そのため、Bill Pay はこれを簡素化し、請求書の支払いを自動化することによって、資産をBitcoinで保持し、請求書の支払い期日が来たときにのみ現金に換えることができるようにしています。
Bitcoinまたは現金の残高を使用して、請求書を自動的に支払います。
独自のアカウントとルーティング番号を使用して、Strike から直接請求書を支払う。
デフォルトの支払い元としてBitcoinまたは現金を選択し、支払い期日になると請求元が自動的に資金を引き出すようにする。
具体的な利用手順は次のとおりです。
まず、支払いの詳細を生成します。独自の Strike アカウントとルーティング番号がアプリで自動的に生成されます。
次に、支払い元を設定します。請求書の支払いのデフォルトとして現金またはBitcoinを選択します。
そして、請求元に追加します。請求元のプラットフォームにアカウントとルーティング番号を入力する請求書の名前は、Strike アカウントと一致している必要があります。
すると、請求元から請求されると、デフォルトの残高から請求書が支払われます。
トピックリスト
BTCPay ServerとOdoo storesのインテグレーション(出典)
BTCPay Serverを用いた決済受け入れチュートリアル動画(出典)
Stacker news、接続されたウォレットに直接支払いを受け取る機能を追加(出典)
アフリカのMachankura、携帯電話や電話番号宛てにsatsを送受信できるモバイルアプリを発表(出典)
LifPay、定額で再利用可能な決済QRコードを導入(出典)
クルーズ船運航のVirgin Voyages、Bitcoin決済受け入れを発表(出典)
マーチャント向けBitcoin受け入れガイドライン(出典)
香港のZA Bank、HashKeyとの提携通じてユーザーが銀行アプリで暗号通貨を直接取引可能に。リテール向けに暗号取引サービスを提供するアジア初の銀行とのこと(出典)
BitGo、個人投資家むけにBitGo Retailプラットフォームをローンチ(出典)
Bitcoinおよびオープンソース企業に投資するプラットフォーム「Timestamp」(出典)
プライベートジェットなど運航する民間航空会社Volato、航空機運航の余剰電力でBitcoinマイニングを行うシステムの特許(出典)
OCEAN Pool、報酬のP2PRights基金への寄付を通じて、Samourai Walletのプライバシーに焦点を当てた法的取り組みを支援可能に(出典1)
OCEANでハッシュを指定の先に向けることでSamouraiWalletの弁護活動に寄付されるとのことです(出典2)。
MicroStrategy、$5.4 bで55,500 BTCを取得。保有総量は386,700 BTC(平均取得価格$56,761)(出典)
MicroStrategyのBitcoinトレジャリー戦略について掘り下げる動画
続報:MicroStrategyが15,400BTCを取得。 12/2時点での保有額は402,100BTC以上に(出典2)
Marathon Digital Holdings、5,771 BTCを$572Mで購入し、保有総額を33,875 BTC、約$3.3B相当に増加(出典)
2.規制関連の動向
Tornado Cash訴訟において、財務省によるスマートコントラクト制裁は権限超えであるとの判決(出典1 , 出典2, 出典3, 出典4)
米国連邦控訴裁が、「米財務省が Tornado Cash のスマートコントラクトを制裁したのは権限超えである」との判決を下し、財務省とOFACの境界を明確に示しました(出典1)。
「信頼できるセットアップ セレモニー」を通じて作成されたスマートコントラクトは、いかなる団体も所有できないため、財産やサービスには該当しない、と述べています(出典2)。
この判決においては、財務省は「財産」に対して措置を講じる権限を有するものの、Tornado Cashの中核となるオープンソースで不変のスマートコントラクトは誰にも所有できないため、制裁の対象となる「財産」ではないとの見方がされています(出典3)。
この訴訟において、OFAC が「議会で定義された権限を逸脱した」と判断し、法を遵守する人が Tornado Cash のようなミキサーを使用したい正当な理由が認められたとされています(出典4)。
なお、Samourai Wallet & Tornado Cash担当のニューヨーク州南部地区連邦検事は、12/13をもって辞任するとの発表がされています(出典5)。
米財務省、低所得世帯が暗号資産投資で得た利益を住宅ローン担保に活用するケースが増えているとするレポートを発表(出典)
暗号通貨へのエクスポージャーが高い地域で、特に低所得および中所得世帯の間で住宅ローンの融資が増加したことが示されています。
低所得世帯の場合、暗号通貨への露出度が高い郵便番号では、平均住宅ローン負債残高と住宅ローン保有率が急増しました。これは、低所得世帯が暗号通貨の利益を利用して新しい住宅ローンを組んだり、より大きな住宅ローンを組んだりしている可能性があることを示しています。
添付図 4a によると、暗号通貨への露出度が高い郵便番号の低所得世帯の住宅ローン保有率(Morgage Holder Rateの列を参照)が、2020 年 1 月の 4.1% から 2024 年 1 月の 15.4% へとほぼ 4 倍に増加したことがわかります。
同様に、住宅ローンあたりの平均残高(Average Morgage Balance)は、2020 年の $171,773から 2024 年の $443,123 ドルへと、150% 以上増加しており、暗号通貨の売却がより大きな頭金を通じてより大きな住宅ローンへのアクセスを支えた可能性があることを示唆しています。
このように、2020年から2024年にかけて、低所得の消費者が負債の使用と負債残高を大幅に増加しています。
その増加は、暗号資産のエクスポージャーが高い地域で特に大きくなっています。
負債の増加の規模は、住宅ローン負債で特に大きくなっています。
暗号資産のエクスポージャーが高い地域の低所得の消費者は、住宅ローンを組む可能性が不釣り合いに高い。
ただし、暗号通貨へのエクスポージャーが高い地域では、延滞率は比較的低いまま。
これらから、暗号資産投資で得た利益が頭金をより多く支払うことによる住宅ローンへのアクセスをサポートした可能性があるとの見方が示されています。
Libraを巡る2019年からの経緯とBitcoin上で取り組む意義(出典1 , 出典2)
LightsparkのDavid Marcus CEOが、Libraを巡る2019年からの経緯と、Bitcoin上のプラットフォームに取り組む背景について語っています。
当時Libra AssociationのメンバーであるStripe、Mastercard、Visaといった規制対象事業体に対して、上院議員から送付されたレターには、「これを実行すると、Libra 関連の決済活動だけでなく、すべての決済活動に対して、規制当局から厳しい監視を受けることが予想される」旨が記されています。
その上で、David Marcus氏は、Libraから学んだ教訓として以下で結んでいます。
「最終的に1日あたり数兆ドルを動かし、100年後も存在し続けるような世界のためのオープンなマネーグリッドを構築するには、最も中立的で分散化され、攻撃不可能なネットワークとアセットの上に構築する必要がある」
「それは間違いなくBitcoinである」
スイスのBern州議会、マイニングに関するフィージビリティスタディを承認(出典1, 出典2)
スイスのBern州議会は、ビットコインマイニング関する詳細調査の開始について、賛成85票・反対46票で承認しました。
この調査は、米テキサス州を参考にして、余剰エネルギー源の特定、マイナーとの協力可能性、送電網の安定性に与える影響に焦点を当てた研究を行うものです。
具体的には、以下の3つのポイントがスコープとなっています。
ベルン州のどこで電力生産に未使用のエネルギーが残っているか
この未使用エネルギーがBitcoinマイニングを通じてどのように利用できるか(例:スイスのBitcoinマイニング会社との協力)
Bitcoinあるいはマイニングが電力網の安定化に貢献できる方法
チェコ、3年以上保有された仮想通貨に対するキャピタルゲイン税を免除する法律を可決(出典1, 出典2)
提案されている免除は、現在その他の所得の一部として個人所得税の課税対象となる暗号資産の譲渡に適用されるものの、納税者の事業資産の一部である暗号資産には適用されまないとされています。
免除は、有価証券の譲渡による所得の免除と同様の原則に従う必要があるようです。
一つ目の原則は所得基準の観点からのテストです。
有価証券(電子キャッシュトークン以外)の譲渡による所得の免除を申請するには、課税期間中のそのような販売による総所得が10万チェココルナを超えてはならない、とされています。
二つ目の原則は時間テストです。
有価証券の譲渡による所得は、納税者が有価証券を譲渡する直前に3年以上保有していた場合、個人所得税が免除されるというものです。
免除限度額は、課税期間中の総所得の4,000万チェココルナ(有価証券および法人株式の譲渡による所得も含む)とされています。
トピックリスト
David Sacks氏、ホワイトハウスのAI ・暗号資産長官に就任へ(出典)
参考:ホワイトハウス暗号資産担当のDavid O. Sacks氏によるCraft Venturesのポートフォリオ
Coinbase、米FDICによる銀行への暗号資産活動の一時停止要請を入手(出典)
「現時点では、FDICは金融機関が暗号資産関連の活動を行うために必要となる可能性のある規制上の届出が何であるかを確定していない。そのため、FDICは暗号資産関連の活動を一時停止するよう求めている。」といった旨が触れられています。
米下院金融サービス委員会、暗号資産企業巡るdebankingについて協議(出典)
参考:米下院金融サービス委員会で協議されたdebankingについての説明スレ
米フロリダ州、2025年第1四半期に戦略的Bitcoin準備金を創設へ(出典)
準備金の創設にあたり、財源は以下のように考えているようです。
①インフレに対するヘッジとして、1,857億ドルの年金基金(米国で4番目に大きい)を活用して、Bitcoinにわずかな割合を割り当てる。
フロリダ州は年金基金を通じてすでにBitcoinと暗号通貨関連資産に投資済み。
年金基金は資金をヘッジファンドに割り当てており、ヘッジファンドの一部はBitcoin分野のさまざまな株(マイナー、MSTR、Coinbaseなど)を購入し、流動性のあるトークンも購入している。
年金基金の1%をBitcoinに投資するだけで、18億5,700万ドルになる。
②予算の余剰(2024~25年度で1,165億ドル)を、必須サービスを削減することなく、責任を持ってBTCに投資するために使用する。
フロリダ州は、他の州とは異なり、予算の余剰が頻繁に発生する。
余剰の1%を投資するだけで、11億6,500万ドルになる。
米連邦準備制度理事会(FRB)のJerome Powell議長、「人々はBitcoinを支払い手段や価値の保存手段として利用していない。非常に不安定であり、米ドルの競争相手ではなく、実際には金の競争相手である」との見方(出典)
米テキサス州公益事業委員会(PUCT)、75メガワット以上の電力を消費する暗号通貨マイニング施設に対して、施設の場所、所有者、電力需要の登録を義務付け。施設がどれだけの電力を消費するかを州が把握し、送電網の信頼性を守ることを目的としたもの(出典)
英FCA、成人に占める暗号資産保有者の比率が2022年の10%から12%へ増加したとのレポートを発表(出典1, 出典2)
カナダバンクーバー市長、投資ポートフォリオを多様化し、Bitcoinに優しい都市となるべく、Bitcoinをバンクーバー市のバランスシートに組み込む計画を発表(出典)
「財政準備の多様化による市の購買力の維持-ビットコインに優しい都市になる」という提案が12/11に審議される予定です(出典2)。
ブラジル議会、国家資産の多様化と為替レートの変動や地政学的リスクへの対応を目的として、国際準備金の最大5%をBitcoinに割り当てる「Bitcoin戦略国家準備金」設立法案を提案(出典)
ブラジル中銀、中央集権型取引所がユーザーにStablecoinをセルフカストディアルウォレットに引き出すことを禁止する規制案を発表(出典)
参議院常任委員会調査室・特別調査室 | 暗号資産取引に係る所得税制の現状と動向(出典)
“暗号資産取引による所得は20%の税率とすることについて国民の理解を得られるかどうか、株式のように、家計が暗号資産を購入することを国として推奨することが妥当なのかなど、様々な論点を踏まえて、丁寧な検討をする必要がある」旨国会で答弁する26など、見直しに慎重な姿勢を示している。”
“暗号資産に対しては、詐欺などに利用されることが多いことや価値の裏付けがないことなどから、懐疑的な見方も多いところである。先述のとおり、投機的な動きが強いことや、取引所からの不正流出が多数発生していることなどからも、国民の資産として推奨されるべきか否か更なる議論が求められよう。”
Basel AML IndexレポートによるとAMLのフレームワーク遵守に対して実際の有効性が31%から28%へ低下しているとのこと(出典)
様子をみながら、少しずつ発信していければと思いますので、よろしくお願いします!