マイクロストラテジーのビットコイン戦略を概観する + Solanaでマイクロストラテジー戦略するのってどうなの?(コラム)
マイクロストラテジーに関する分析動画の一本目の内容を一部記事化しつつ、動画で話しきれなかったことをプロ読者向けにコラムとして公開しておきます。
マイクロストラテジーってどんな企業?
マイクロストラテジーはもともとはソフトウェア開発企業です。具体的には企業向けのデータ分析サービスなどを提供している会社で、2020年8月までは普通のソフトウェア企業として、まあある程度利益を出してて、一応ナスダックに上場している、くらいのあある種無名の会社だったんですね。
ところが2020年8月にいきなりビットコインを購入するという、当時としてはかなりサプライズな宣言をしたんです。最初は確か約500億円分くらいのビットコインを購入して、そこからビットコイン業界内で非常に重要なプレイヤーになっていきました。
マイクロストラテジーはこの4年間で企業の性質が完全に変わってしまったということですね。
もともとのソフトウェア事業はまだ続けているものの、今や完全にビットコインを買い集めることがメインの事業になっていて、例えば定期的に転換社債を発行して資金を調達して、そのお金でさらにビットコインを買うという、かなりビットコインに全力ベットをしている状態です。
マイクロストラテジーの規模や株主構成は?
現在では約25万BTCを保有していて、これは他の企業と比べるとぶっちぎりの1位ですね。
例えば2位のマラソンデジタルホールディングスが約2万6千BTCくらいですから、もう10倍くらいの差をつけている。
さらに面白いことに、エルサルバドルという国が持っているビットコインが5700BTCくらいで、このリストだとアメリカでも2万BTCほどしか保有していないので、一企業でありながら一国家より多くのビットコインを保有しているという、そういう状況になっているんですね。
ビットコイン戦略を推し進めているCEOのマイケルセーラーは約14%の株式を保有。マイケルは個人としても1万7000BTCを保有しているそうです。
そしてもう一つ重要な株主がブラックロックです。ブラックロックは最近ビットコインETFでも話題になっている会社ですけど、マイクロストラテジーの株式の約5%を保有しています。
企業規模で見ると、現在の時価総額はだいたい50 Billionドル、日本円で言うと7兆円くらいです。これはみずほフィナンシャルグループと同じくらいの規模ですね。
グラフを見れば一目瞭然ですが、ビットコイン戦略を開始した2020年から株価/評価額がどんどん上昇していき、4年間でなんと50倍くらいになっています。
また、規模も大きくなってきて、S&P500へ追加されるんじゃないか、という話も出てきています。もしこれが実現すると、インデックスファンドとかETFが自動的に株式を買うことになるので、さらに注目度が上がる可能性があります。
マイクロストラテジーはなぜビットコインにここまで賭けているのか?
マイケルセイラーは2020年からものすごい多くのポッドキャストとかカンファレンスに出て、ひたすらにビットコインについて話していて、業界内でもかなりの人気を誇っています。ただ正直に言うと、話を聞けば聞くほど逆に何を言っているのか分からなくなってくるというか...、なのでしばらく自分は直接彼の話は全然聞いてなかったのですが(笑)。
重要なところだけ平たくまとめると以下のような感じです。
1つ目は、法定通貨に対する懸念です。
ドルや円みたいな法定通貨って発行枚数がどんどん増えていくんですけど、ビットコインは発行枚数が決まっていて、しかも分散化されている。この「デジタルの希少性」というのを、セーラーはすごく重要視しているんです。
2つ目が、「デジタルエネルギー」という考え方。
これちょっと分かりにくい話なんですけど、セーラーによれば、ビットコインっていうのはマイニングに使われるエネルギーをデジタル化したものだと。エネルギーって普遍的な価値を持つものじゃないですか。それを世界中どこでも送受信できる形にしたのがビットコインだ、っていう見方をしているんですよ。
3つ目が、これが結構重要なんですけど、他の仮想通貨に対する見方ですね。
例えばイーサリアムとか、プルーフオブステーク型のコインに関しては、セーラーは全く興味を示していないんです。彼に言わせると、それらは「コモディティというより証券に近い」もので、長期的な資産保全には適していないという考えなんですね。
とりあえず上記3つくらいがメインですが、興味がある人は彼が出演している番組は腐るほどあるので自分で聞いてみてください。
今になってマイクロストラテジーがさらに注目されている理由は?
まず1つ目が、株式市場でのパフォーマンスですね。
これまでビットコイン業界の中の人たちからは注目されていたのですが、株式投資家からも注目される存在になってきているみたいです。この4年でS&P500の中の株式と比較してもぶっちぎりで一位の株価上昇率を誇っているようです。Nvdiaの株価上昇がすごい話題になりましたが、実はマイクロストラテジーの方が勝っているという。
2つ目が、マイクロストラテジーの戦略を真似する企業が世界中に増えてきていること。
ちょうど最近出てきたニュースで、マイクロソフトがビットコインの購入を検討しているという話が出ましたが、それくらいの規模もマイクロストラテジーのように法人としてビットコインの購入を検討し始めています。
3つ目は最近マイクロストラテジーの「ビットコイン銀行」的な長期のビットコイン戦略の一部が発表され、買い集めたビットコインを今後どうしていくつもりかに一定の説明がされたというのもあります。基本的な考え方としては、彼らが持っているビットコインを担保にして、様々な金融サービスを提供していこうという、というもののようですが、詳細は次回以降の動画で説明します。
もう一つ注目されているのが、現在の株価にはかなりのプレミアムがついているということですね。保有しているビットコインの価値の約3倍の企業価値がついているんですけど、これって普通に考えるとちょっと不思議な状況ではあるんですが、実はこれには転換社債を利用した資金調達スキームも絡めて色々複雑な要因が絡んでいるようです。
ここら辺についてはある程度簡単に説明できるように次回以降の動画でもう少し細かく別途解説予定です。
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