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それでは、早速直近2週間のトピックを紹介したいと思います。
1. 規制関連の動向
OFAC制裁対象アドレスに関連してマイニングプールでトランザクションフィルタリング(出典1, 出典2, 出典3)
OFAC制裁対象アドレスに関連して、Bitcoinマイニングプールがマイニング可能な取引を行っていないケースが6件検出されたとのことが話題になりました。
該当するのは、ViaBTCマイニングプールとFoundry USAプールがそれぞれ1件、F2Poolが4件です。
ViaBTCとFoundry USAプールのブロックから欠落している2つのトランザクションは誤検出であり、フィルタリングされたものではないと考えられる一方、F2Poolのブロックから欠落している4つのOFAC制裁対象トランザクションは、おそらくフィルタリングされていると見られるとしています。
これをうけ、F2poolの共同創設者は、マイニングプールがフィルタリングを適用していることを認め、この問題についてコミュニティで合意が形成されるまで検閲を中止すると発表しました。
関連するトピックとして、「マイニングASICはハッシュ化しか行うことができず、マイニングの他のすべての側面がマイニングプールに委任されているため、混乱が生じている」とする記事が出ています。
その中では、99%以上のブロックが十数のエンティティによって構築されており、ハッシュレートの分散のみによってマイニングが分散化されていると考えるのは危険であることが触れられています。また、「単にハッシュ化する以外の全てをプールに他のすべてを任せることは、重要な役割を大きく放棄してしまっている」とした上で、「ブロックが望ましい取引のみを含んでいると盲目的に信頼していたことが、貴重なブロックスペースを巡ってordinalsの狂乱をもたらした」と指摘しています。
米司法省、銀行法違反など受けBinanceに40億ドル以上支払い求め、CZ氏はCEOを辞任(出典1, 出典2, 出典3)
米司法省が、Binanceがマネロン対策・無許可送金および制裁違反に関与したことを認め、米国銀行秘密法(BSA)に関連した違反や送金事業者としての登録不履行に対する司法省の捜査解決に40億ドル以上を支払うことに同意したと発表しました。
Changpeng Zhao氏もBSAに違反して効果的なAMLプログラムの維持を怠ったとして有罪を認め、CEOを辞任したとしています。
Binanceの有罪答弁は、FinCEN・OFACおよびCFTCとの調整決議の一環であるとのことです。
当局は、テロリスト・ハッカー・制裁違反者たちによる資金移動に使われていたにもかかわらず、Binanceが何年もの間目をつぶっていたと指摘しているようです。
これを受けて、Changpeng Zhao氏は、BinanceのCEOを辞任する旨を発表しました。
トピックリスト
FSB(金融安定理事会)、「暗号資産市場から従来の金融システムへの波及はこれまでのところ限られているが、ストレスイベントは暗号資産投資家に多大な損失をもたらし、これらの市場への信頼を揺るがした」とするレポートを発表(出典)
SEC、Krakenを未登録の証券取引所・ブローカー・ディーラー・清算機関として運営していたとして告発(出典)
Circle、不正ファイナンスに関する虚偽の主張に反論するレターを公表(出典)
スペイン税務当局、$55,000ドルを超える暗号資産を保有している個人に、海外の暗号通貨プラットフォームで保有している暗号資産を申告するよう求める(出典)
シンガポールMAS、デジタル決済トークン・サービスに対する規制案について寄せられた意見への最終版回答を公表。リテール顧客による暗号通貨投機を阻止することを求めるもの(出典)
証券監督者国際機構(IOSCO)による最終報告書 「暗号資産・デジタル資産に関する勧告」の公表について:金融庁(出典)
2.ビジネス関連の動向
Pouch、協同組合である One Cooperative Technology Service (OCTS) と提携して、モバイルウォレットアプリ「CoopPay」をローンチ(出典)
フィリピンのBSPライセンス決済システム事業者(OPS)であるPouch.phは、CDA(Cooperative Development Authority)登録テクノロジーサービス協同組合「One Cooperative Technology Service(OCTS)」と提携して、モバイルウォレットアプリ「CoopPay」の立ち上げを発表しました。
このアプリは、協同組合、その会員、および家族に対して、ペソ支払いとBitcoin支払いをLightningを通じて迅速・安価・安全に送受信できる方法を提供するものとのことです。
具体的は、フィリピンペソの預金と引き出し、CoopPayからCoopPayへの送金、銀行/資金の送金(UnionBank、BPI、BDO、Metrobank、GCash、Mayaなど)、および現金引き換えサービスなど、さまざまな機能を提供しています。
この1年間のフィリピンにおけるBitcoin動向を振り返ってみると、Pouchの存在感が際立っています。
フィリピンのボラカイ島で、ウォレットプロバイダーPouchがBitcoin普及にむけて取り組む「Bitcoin Island」では、大小約120の企業がBitcoinで支払できるようにサインアップしているとのこと。(2022年9月)
CoinCornerのLightning Networkを用いたSend Globally機能を使って、英語と欧州の顧客はフィリピンへ送金可能に。法定通貨をBitcoinに変換した上で、Lightningを介して受け手に送金するもの。(2022年12月)
Strike、Send Globallyのフィリピン向け拡大を発表。米国StrikeユーザーはLightning用いたフィリピン向けインスタント送金が可能に。(2023年2月)
カナダNeutronpay、Pouch.phと提携し、カナダとベトナムに住むフィリピン人向けLightning送金サービス提供へ。(2023年5月)
Pouch.ph、「Send Globally」をアプリに導入し、フィリピンペソを米国銀行口座に送金した上で米ドルに換金することが可能に。(2023年7月)
フィリピン中銀、Bitcoin・Lightningサービスプロバイダーとして初めて「Pouch」を決済システムオペレーターに承認。(2023年9月)
マイニングを根本的に分散化することを使命とする新しいタイプのマイニングプール「OCEAN」がローンチ(出典1, 出典2, 出典3)
Jack Dorsey氏が、「Future of Bitcoin Mining」カンファレンスにおいて、マイニングの世界的分散化を目指す「OCEAN」の使命を支援するシードラウンドをリードする旨を発表しました。
Bitcoin Core開発者であり、Mummolinの共同設立者であるLuke Dashjr氏は、「プール運営者の集中化と行き過ぎにより、Bitcoinのセキュリティモデルは高いリスクにさらされるところまで変化しており、Bitcoinの主な利点の1つとして喧伝されている検閲耐性という特性は既に失われている」と指摘した上で、「Bitcoinが真に分散化された通貨として存在するためには、マイニングプールの役割が変わらなければならない」と述べています。
また、「最も透明性の高いプールとして、またマイナーがBitcoinから直接新しいブロック報酬を受け取ることができる唯一のノンカストディアルプールとして立ち上げる」とのことです。
「The Future of Bitcoin Mining」カンファレンスの模様は、こちらでご覧になれます。
OCEANの特徴としては、以下の3点が挙げられています。
①最も透明性の高いプールであり、ブロックテンプレート、生成の支払い、マイナー統計などを完全に可視化できる。
②マイナーは、自分のハッシュレートでどのようなトランザクションをマイニングしているのかを知ることができる。
③ノンカストディアルプールでもあり、マイナーは、Bitcoinから直接新しいブロック報酬を受け取ることができる。
テキサス州電力運用会社ERCOTの元社長兼CEO等が「Bitcoinマイニングはクリーンエネルギーとグリッドバランスのための重要なツールである」とするワーキングペーパー発表(出典)
中断可能性と迅速なレスポンスというマイナーの特性を利用して、送電網の柔軟性を高めることができるとして、産業規模のデマンドレスポンス(DR)にとっての重要機能としてのマイニングに注目したレポートです。
また、廃棄ガスを収益化する能力や、再エネの経済性の向上が相まって、マイニングは、CO2排出量削減支援ツールとして位置づけられるとしています。
トピックリスト
Nayuta、暗号資産取引所などのライセンス企業向けに、ライトニングネットワーク機能を提供する事業を開始(出典)
KPMG Canada と Chainalysis、暗号通貨交換所・金融機関および政府機関向けにモニタリングとリスク管理ツールを提供すべく提携(出典)
様子をみながら、少しずつ発信していければと思いますので、よろしくお願いします!