Diamond Hands Magazine、今回はビットコインマイニング関連のニュースをまとめてお伝えします。12月のニュースが年内ぎりぎり、大晦日発行になってしまい申し訳ありません!皆さま、どうぞ良い新年をお迎えください🌅🎍
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Ocean Miningは今までのマイニングプールと何が違うのか?
ビットコインマイニングは、現在上位2つのマイニングプールが50%以上を占めていますが、プール運営者の方針や法的要件によって、利用者側のマイナーに報酬が支払われない可能性があります。
ほぼすべてのマイニングプールは、2012年に導入されたStratum V1と呼ばれる、今では時代遅れのプロトコルを使用して通信しており、どのトランザクションが最終的にブロックに入るかについて最終的な決定権はプールにしかありません。
このマイニング業界の中央集権的傾向を懸念していたJack Dorsey, Luke Dashjr, Giacomo Zuccoらは、11月28日に米国にてOcean Miningを立ち上げました。Oceanは、マイニングの分散化を図り、非カストディアルによってブロック報酬を直接マイナーに支払う仕組みとなっています。
仲介者を極力排除する代わりに、Ocean は以下の3種類のブロックテンプレートを提供し、マイナーが個別でブロック採掘基準を選択できるようにしました。
トランザクションフィルターの実装なし
Inscriptionのフィルタリング
Inscription およびOP_RETURNに最大42バイトの制限をかけたもの
Oceanの取り組みについてトランザクションの検閲だと批判する声もありますが、Giacomo Zuccoは動画で反論しています。
なお、12月19日のForbes Digital Assets 記事によると、Oceanは 非拘束性、透明性、パーミッションレスという3つの基本原則に基づき、Stratum V2 の使用に完全に移行し、Lightning Network経由でマイナーへの支払いを可能にする予定とのことです。
参照記事:ジャック・ドーシー氏、ビットコインマイニング分散化を推進する「OCEAN」に投資(CoinPost, 11月29日)
AN POST-MORTEM ON THE LAUNCH OF OCEAN, THE JACK DORSEY-BACKED BITCOIN MINING POOL(Bitcoin Magazine, 12月4日)
米テキサス州マイニング施設、サイト管理者の武装警備員によって閉鎖される
11月27日、Rhodium Enterprises が運営するテキサス州Rockdaleのビットコインマイニング施設は、そのサイト管理者である Riot Platform の子会社 Whinstone が派遣した武装警備員によって従業員が排除され、閉鎖を余儀なくされました。
この差し押さえ事件は、両社間のホスティングとエネルギー契約において、Whinstone側が値上げした電気代等の料金をRhodiumが未払いしている損害賠償と契約解除を主張する訴訟問題がエスカレートして起こりました。
元々の電力契約がコロナウイルスによるロックダウン前に締結されており、インフレ後の電力価格と乖離が大きくなったために契約問題が生じたとのことですが、裁判所はRhodium側を擁護し、仲裁解決を命じていました。
しかし、両社とも仲裁決定に納得せず、控訴裁判所に救済を求めた後、11月22日にその要求が却下されました。そして27日に、施設の強制閉鎖となりました。
2021年にWhinstoneを買収したRiot社は、このようにインフレ後のコスト増によって収益が悪化したホスティング契約をレガシー契約と呼び「引き続き対処する」と2023年Q3の報告書に記載しています。
興味深いことに、この報告書には2022年に日本のGMOがホストしていたマイナーがRockdale 施設のA棟から排除されたと記述がありました。GMOは2022年7月12日に提出した書類の中で、Whinstoneが電力とマイニング設備の同様の差し押さえを行ったことを告発しました。こちらの裁判も現在継続中とのことです。
参照記事:TEXAS BITCOIN MINING OPERATION SHUT DOWN BY HOST’S ARMED SECURITY (Bitcoin Magazine, 12月6日)
マイナーへの監視を強める米規制当局
米国の規制当局、特に外国資産管理局(OFAC)は、暗号通貨分野を注意深く監視しています。
今のところ、マイナーは主なターゲットではありませんが、法律の専門家は、制裁リストに載っている個人にサービスを提供した場合は制裁対象国への重要な支援とみなされ、サービス・プロバイダーに制裁が課される可能性があると警告しています。
一部のマイナーはOFACによってリストアップされたアドレスに関連する取引を検閲し始めており、これはプロトコルレベルの検閲に発展していく可能性があります。
先日、主要なマイニングプールViaBTC、F2Pool、Foundryに意図的に除外された6つのトランザクションは、最終的には他のマイナーによってブロックに取り込まれましたが、意図的なフィルタリングとトランザクション検閲の倫理とその意味合いについて議論を巻き起こしました。
マイナーに対する規制管理強化により、ビットコインの将来は不透明になってきています。コンプライアンス VS 自由取引とプライバシー保護等の非中央集権的なモラル維持の微妙なバランスは、業界の今後の重要な課題です。
参考記事:The regulation of mining puts Bitcoin at risk (Crypto News, 12月27日)
海水淡水化をマイニングでコストダウン
ビットコインと環境問題に詳しいDaniel Batten氏は、「ビットコインが水不足の国々をどう支援できるか」と題したブログ記事を投稿しました。
世界で水不足に悩む国々は中東および北アフリカに集中していますが、アラブ首長国連邦(UAE)のような裕福な国家では、海水淡水化することによって市民の生活用水を賄っています。
海水淡水化は電力消費量が多く、UAEでは78%の電力源が天然ガスとなっており、決して環境にやさしいとは言えません。
そこで、海水淡水化とビットコインマイニング事業を組み合わせると以下のメリットがあると説明します。
ソーラー発電の余剰電力活用によるBTCマイニングで、再生エネルギーをコストダウンしながら、海水淡水化事業を推進できる。これは、排出削減目標の達成の一助になる。
マイニング排出熱を海水の塩分と水との分離過程に再利用し、淡水化コストを下げて収益性を高めることができる。
つまり、ビットコインは、世界で最も水不足の地域で、排出削減目標を犠牲にせず、採算の取れる形で水の安全保障を確保することに役立てられます。
実際に、Marathon DigitalはZero Twoと提携し、UAEにてビットコインマイニングを海水淡水化プラントに組み込む事業を開始しています。
ロシアのBitClusterがエチオピアに120MWのデータセンターを建設
(画像はBitCluster のXポストより引用。記事にリンク)
RT.com は、ロシアのビットコインマイニングソリューションのサプライヤーであるBitClusterが、エチオピアに120MWのマイニングセンターを建設中であると報道しました。同社のプレスリリースによると、この施設はエチオピア首都アディスアベバのキリント高圧変電所の敷地内に建設され、30,000平方メートルの広さとなります。
データセンターの電力はアフリカ最大の水力発電プロジェクトであるナイル川のグランド・エチオピア・ルネッサンス・ダム(容量5.15GW)から供給される100%再生可能エネルギーで賄われます。
BitClusterは、このプロジェクト規模であれば、フルサイクルのマイニングセンターを運営し、故障した装置はオンサイトで修理能となり、マイニングをより効率的に行うことができると述べています。
NY大学の学生が$600万ドルのマイニング企業株主
NY Timesの報道によると、ニューヨーク大学の23歳の学生 Jerry Yu は、富裕層の資産運用手法を駆使し、元GM CEOから購入した800万ドルのマンハッタンのコンドミニアムを所有し、テキサス州にあるビットコイン・マイニング施設の大半の株式を保有しています。
しかし、Yu氏の会社であるBitRush Inc.が、テキサスの小さな町のマイニング施設で働いた請負業者たちに報酬を支払わなかったと訴えられたため、詳細な取引方法が明るみに出ました。
Yu氏はテキサスの施設を購入する際に、ドルでの支払いではなくテザー(ステーブルコイン)を利用し、その取引は海外取引所バイナンスを経由して行われたため、資金の出所が秘匿されました。彼はこの法的紛争を通して、中国の投資家は米国銀行システムと連邦規制当局の監視を回避するだけでなく、中国の資本流出規制も迂回可能なことを、意図せず世間に公開してしまいました。
2021年に中国政府がマイニングを禁止した後も、中国の投資家が何億ドルもの資金を使って、米国にビットコイン等のマイニング施設を構築したり運営したりしている様子が浮き彫りになりました。
2023年11月マイニングハッシュレート
現在のビットコインマイニングは米国がハッシュレートの40%を占め、圧倒的に優勢となっています。米国当局の規制が厳しくなる中、2024年は、もう少し分散化されるでしょうか?
米国ビットコインマイニング企業は、Marathon Digital ($MARA) の株価が年初来800%にアップするなど、ETFへの期待やマイニング手数料の高騰も手伝い、半減期前に利益を出すことができたところが多かったようです。
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