主権的に考える子どもを育てる── 自由・学び・ビットコインを「教え込まない」という選択
₿𝔢𝔫 ∞/2.1Psat(サマンサの父親)
少し面白い話があります。
僕がビットコインを知ったのは2010年で、彼女が生まれたのは2011年でした。正確に言うと、彼女のブロック高は 117,523 です。多くの人にはブロック高はありませんが、僕たちはそれ以前に生まれていますからね。
つまり、彼女は生まれたときから、人生の中に常にビットコインが存在していました。
彼女が生まれた時点で、僕はすでにビットコイナーだったのです。
こんにちは!yutaro です。本日のPro向け「BTCインサイト」では、
ビットコインを「どう教えるか」ではなく、「どう育まれるか」という視点から、非常に示唆に富んだ My First Bitcoin 主催のパネルディスカッションを取り上げます。
お子さんを持つ親御さんも、そうでない方も、とても興味深い内容でしたので、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
AZA_₿e Myself (Xアカウント名)
まず最初に、サマンサの隣に座れることをとても光栄に思っています。私は彼女の大ファンです。
私は彼女の年齢の倍以上ですが、ここ数年ずっとサマンサの歩みを追ってきました。個人的な会話の中でも彼女に伝えたことがありますが、彼女が私たち大人をここまで謙虚にしてくれることに、心から驚かされています。
私たち大人は、悪意がなくても、つい他人に何かを押し付けてしまいがちです。これは、先ほどデュシャンが話していた「人の話を聞かず、自分なりの定義を持ち、自分の視点だけで物事を捉えてしまう」という話とも部分的に重なります。
だからこそ、今こうしてあなたの隣に座り、あなたの経験を聞けることが本当にうれしいのです。
異なる世代、異なる視点からの経験。そして、デジタル時代に生まれた世代としての視点です。あなたの場合、いわば「オレンジピルされた」環境、主権的な家庭の中で育った主権的思考者として生まれた存在でもあります。ただし、その一方で、同世代の仲間の多くは、必ずしも主権的に考える人たちばかりではない環境に囲まれているのではないでしょうか。
だからこそ、サマンサに拍手を送りたい。彼女は、ビットコイナーの新しい世代、若い世代の一人です。
私たちは彼女たちから多くを学ぶべきですし、実際に多くを教えられているのです。
Samantha De Waal (Xアカウント名)
ありがとうございます。皆さんの隣に座れることを光栄に思います。
「父親であること」が僕のすべて
₿𝔢𝔫 ∞/2.1Psat (Xアカウント名)
僕のことを知らない方のために自己紹介します。
僕は彼女(サマンサ)の父親です。それが僕の一番の肩書きであり、正直に言えば、それ以外では特別な存在ではありません。
ただ、真剣な話として、僕がここに立ちたいと思った理由もそこにあります。
親として、どうすれば「正しいこと」ができるのかを考え続けてきました。どの親も、子どもを正しく育てたいと思っています。できる限り良い機会を与え、自立した人間になってほしい。大人になったときに、自分で自分の人生を支えられるようになってほしい。人生で失敗するのは当たり前ですが、取り返しのつかない大きな失敗はできるだけ避けてほしい。
ただ、そのやり方は一つではありません。
多くの人は権威主義的な方法を取ります。「俺が父親だ。言うことを聞け」「これはするなと言ったらするな」「今すぐ部屋を片付けろ。さもないと罰だ」といったやり方です。
しかし、僕はその方法を選びませんでした。
それが良い子育てだとは、どうしても思えなかったからです。どれだけ自由を支持していると言っても、どれだけ自分をリバタリアンだと考えていても、そうやって育てた子どもは、自由を尊重する人間にはなりません。育つのは「権威に従う人間」です。権威とは従う価値のあるものだ、と考える人間です。
ビットコイナーとして、それは受け入れられませんでした。
アナキストとしては、なおさらです。
だから僕はずっと考えてきました。
権威主義的にならずに、どうやって子どもを育てるのか。どうやって、これらの価値観を伝えるのか。
僕なりのやり方があります。ステージにいる間に、その一部は話せるかもしれません。
子育てをして14年になります。子どもは2人いて、サマンサは14歳、息子は11歳です。正直に言えば、すべてが正しいとは思っていません。多くの間違いもしてきたと思います。
だからこそ、この場でオープンな議論をしたいのです。
どうすれば、子どもを「自由を大切にする人間」として育てつつ、同時に、良い判断を重ね、素晴らしい大人に成長できるのか。
その中で、ビットコインは非常に大きな役割を果たしています。
唯一の答えではありませんが、間違いなく重要な要素です。
さて、他の方の意見もぜひ聞いてみたいですね。
K1 Technology (Xアカウント名)
自己紹介させてください。このパネルに参加できて光栄です。
僕も父親ですし、これまで25年間、子どもと大人の両方に教えてきました。ビットコインについて学び始めたのは数年前です。
僕が今持っているのは、とても短時間でできる小さなワークショップです。子どものグループでも、大人のグループでも使えるツールになっています。高齢の方々とも実際に使ってきました。そのワークショップは「Bitcoin with Crayons(クレヨンで学ぶビットコイン)」と呼んでいます。
タイトルから想像がつくかもしれませんが、なぜ僕がこのパネルに呼ばれたのかは、おそらくそれが理由でしょう。直接的にこのテーマと結びついているわけではありませんが、ここに参加できてうれしく思っています。
もし最後に少し時間が残れば、簡単なワークショップを実際にやることもできます。クレヨンと紙を持ってきていますし、ディスカッションにも喜んで参加します。
AZA_₿e Myself
ということは、Adopting Bitcoinにも参加されるんですよね?
K1 Technology
はい、参加します。
家族向けスペースと「楽しい主権的思考」の場づくり
AZA_₿e Myself
皆さんにもお伝えしますが、今年で2年連続になりますが、家族向けのスペースを用意しています。
親や子ども、ティーンたちが安心して楽しめる場所であり、同時にプログラム全体に参加できる空間です。小さな「アンカンファレンス」のようなものだと言ってもいいかもしれません。
ぜひ皆さんの専門性やアイデアも持ち寄ってください。今ここで行っているものに加えて、小さなワークショップをいくつか開けたらうれしいです。
そして今この場では、「主権的な考え方」をどうすればもっと楽しくできるのか、新しい世代が自分で考え、自分のタイミングでビットコインを発見できるようにするにはどうすればいいのか、そのアイデアを交換したいと思っています。
サマンサも、賛成かどうかは後で聞きたいですが、私自身の経験を少し話します。
Bitcoin Junior Clubを始める前に感じていたのは、私たちはやはり「押し付けてしまっている」ということでした。
ビットコインについて書かれた素晴らしい本はたくさんあります。ビットコインがどうやって生まれたのか、なぜより良いお金なのか、そういった内容です。しかし、私が話した多くの子どもたちはこう言いました。
「お金に興味がない」「まだお金のことは考えたくない」「使っていないから関心がない」。
確かに、塗り絵やイラストは楽しいかもしれません。でも、テーマそのものには興味を持てないのです。
ゲームもあります。ビットコインの仕組みを説明するものです。でも、子どもたちは必ずしもそういうものに惹かれません。
私の意見では、ビットコインを“遊び”として自然に組み込んだ教材や体験が、まだ十分にありません。
お金という文脈なら、例えばお小遣いがあります。「Lightning Piggy」のようなプロジェクトはとても良い例です。子どもたちはまだビットコインを理解する必要はありませんが、すでに「体感」することができます。
そして、子どもたちは本当に好奇心旺盛で純粋です。
もし何か特定のテーマを面白い形で提示すれば、彼らは自然と深掘りしていきます。
だからこそ、皆さんの経験やアイデアをぜひ聞きたい。
どうすれば若い世代が楽しく関わり、幸せでいられるのか。
どうすればビットコインを、単なるお金や技術の話から離し、より身近でアクセスしやすいものにできるのか。
「ビットコイン」「オレンジピル」と直接言わずに、後から自分で発見できるようにするにはどうすればいいのか。
実体験としてのお金教育と「選択の責任」
K1 Technology
まさにその通りですね。子どもに対して、金銭的なスキルを教えることは、非常に幼い頃から必要だと思います。
これはあくまで僕自身の経験ですが、娘が一人います。彼女は17歳で、とても素晴らしい若者に育っています。今週のAdopting Bitcoinにも一緒に来る予定です。
僕たちがやってきたことで、彼女の助けになっていると願っていることの一つは、幼い頃から「外出するときは、彼女自身のお金を持たせていた」ということです。
たとえば、店に行くとき、遊園地に行くとき、年齢に応じて「これがあなたの20ドル」「これがあなたの10ドル」というように渡します。
ディズニーランドに行ったときは、「これが50ドル、もしくは100ドル。何に使うかはあなたの自由だ」と伝えました。
すべてを僕に聞く必要はありません。ただし責任は伴います。
もし全部使い切ったら、そのあとで「シンデレラのドレスが欲しい」「あれが欲しい」と言っても、追加では渡しません。
AZA_₿e Myself
少し横道ですが質問してもいいですか?
そのとき、あなたは「このドルはどこから来たのか」を娘さんに説明しましたか? もしくは、娘さんから聞かれたことはありますか?
K1 Technology
とても良い質問です。
僕はいつも、「これは僕が働いて得たお金だ」と説明していました。そして「これをあなたに渡す。あとはあなたがどう使うかを決めなさい」と。
面白いことに、多くの場合、彼女は一日の終わりや外出の終わりに、少しお金を残していました。
AZA_₿e Myself
つまり、ここでのポイントは、実践的な形でお金を学んでいた、ということですね。
それなら、私たちにとって最良のお金であるビットコインも、同じように自然な形で教えられるのではないでしょうか。
サマンサの視点:強制されないビットコインとの出会い
Samantha De Waal
おそらく、私の場合は少し特別かもしれません。
私は銀行口座を持っていませんし、今後も持ちたいとは思っていません。ただし、父の口座に紐づいた形の口座は使っています。
法定通貨を使ったことはありますが、正直に言って、ビットコインのほうがあらゆる面でずっと優れています。
もし子どもにビットコインを教えるなら、幼い頃からその仕組みを伝えることは大切だと思います。ただし、それは強制する形ではありません。
生活の中に少しずつ取り入れ、現実のシチュエーションの中で触れさせることです。
そうすることで、自然と興味が湧きますし、実際にビットコインを使えるようにもなります。
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