米FASBが企業の保有する暗号資産に公正価値会計を使用可能に/スイスLugano市、Bitcoinでの税金・自治体サービスの支払い可能に
Diamond Hands Magazine Vol.126
th_satです。
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それでは、早速直近2週間のトピックを紹介したいと思います。
1. 規制関連の動向
米国財務会計基準審議会(FASB)、「企業がB/Sに保有する暗号資産に対して公正価値会計を使用可能とする」旨、暗号資産の開示基準の改善を発表(出典1, 出典2)
米国財務会計基準審議会(FASB)が、特定の暗号資産の会計処理と開示を改善することを目的とした会計基準アップデート(Accounting Standards Update:ASU)を公表しました。
本ASUの改訂は、特定の暗号資産の会計処理を改善するものであり、企業はそれらの暗号資産を毎期公正価値で測定し、公正価値の変動を純損益で認識することを求めています。
また、重要な保有資産、契約上の売却制限、報告期間中の変動に関する開示を要求することにより、企業の暗号資産保有に関する投資家への情報提供の改善も図っているとのことです。
トピックリスト
米上院Elizabeth Warren議員、マネロン・麻薬密売・制裁逃れにおける暗号資産の使用を取り締まる、デジタル資産アンチマネロング法案への銀行委員会支援の連合を拡大する旨を発表(出典)
エルサルバドルのThe National Bitcoin Office (ONBTC)、Volcano Bondがデジタル資産委員会(CNAD)から規制当局承認を受けたとして、2024年1Qに発行予定である旨を発表(出典)
2.ビジネス関連の動向
Lugano市、Bitcoinでの税金やその他の自治体サービスの支払いを受け入れを発表(出典)
Lugano市が、Bitcoin Suisseを利用した、シンプルで完全に自動化されたプロセスを通じて、支払い手段としてBitcoinとTetherを受け入れる旨を発表しました。
支払いオプション拡大として、税金請求書やその他すべてのコミュニティ料金の支払いに暗号通貨を含めるものです。
これまで、暗号通貨による支払いは市のオンラインポータルで行われる取引に限定されていましたが、サービスの性質や請求金額に関係なく全ての請求書に拡張されます。
この動きは、Lugano市の「Plan B」の一環であり、市の金融システムを変革するための基礎としてBitcoinテクノロジーを使用するというTetherとの共同作業であるとしています。
Bitcoin Suisseが、統合決済ソリューションの技術的な部分を処理することを通じてLugano市をサポートし、税金徴収や地方自治体サービスのその他の請求書にBitcoinとTetherによる支払いを受け入れるオプションを提供するとのことです。
これにより、Lugano市の市民と企業は、受け取った請求書のQRコードをスキャンするだけで、希望する暗号通貨を選択した上で、モバイルウォレットで支払を完了できるようになります。
Ledger Connect Kitがサプライチェーン攻撃で60万ドルが被害(出典)
12月14日、Ledger Connect Kitがサプライチェーン攻撃を受け、$600,000が被害に遭ったことが明らかになりました。
まず最初に、DeFi資産管理プロトコルZapperのフロントエンドが乗っ取られたようだとの報告があがったとのことです。
次いで、SushiのCTOが「追って通知があるまで、いかなるdAppにもアクセスしないように」とコメントし、次いでLedgerに不審なコードが含まれている可能性を指摘したことを受け、Revoke.cashが「Ledger Connect Kitライブラリと統合されたいくつかの暗号アプリケーションが侵害されたため、ウェブサイトを一時的に閉鎖した」ことを発表しました。
その後、Ledger社も「悪質なバージョンのLedger Connect Kitを特定し、削除した」と注意喚起し、Ledger社の元従業員がフィッシング攻撃の被害にあったことが正式に確認されました。
原因としては、SlowMistのセキュリティチームが関連コードを分析した結果、攻撃者が悪意のあるJavaScriptコードをLedger Connect Kitに埋め込んでいることがわかったとされています。
Ledger社は、Ledgerウォレット自体は影響を受けておらず、むしろLedger Connect Kitライブラリを統合したアプリケーションに影響があるとしているが、SushiSwap、Zapperなど、多くのアプリケーションがLedger Connect Kitを使用しているため、影響の範囲は大きいと見られています。
影響として、この攻撃では、攻撃者はアプリケーションと同じレベルの権限で任意のコードを実行することが可能とのことです。
例えば、攻撃者は対話なしにユーザーの資金を即座に流出させたり、ユーザーを欺くために多数のフィッシングリンクを配布したり、新しいアドレスに資産を転送するように仕向けて資産を喪失させたりすることができてしまうとされます。
対策として、Ledger社は、Ledger Connect Kitの検証済み正規版であるバージョン1.1.8をリリースしており、適時アップグレードすることを勧めています。
CDNのアップデートが遅れる可能性があるため、Ledger Connect Kitを使用する前に24時間待つことが推奨されています。
この記事では、「この事件は、サプライチェーンのセキュリティの脆弱性がもたらす深刻な結果を浮き彫りにしている」との見方が示されています。
悪意のあるソフトウェアやコードは、ソフトウェアサプライチェーンのさまざまな段階で埋め込まれる可能性があり、これに成功すると、攻撃者はそれを使ってデジタルアセットや機密ユーザー情報を盗んだりできてしまう、と指摘されています。
Blockのセルフカストディウォレット「Bitkey」のプレオーダーが開始(出典)
2-of-3のマルチシグネチャデザインが特徴となっています。
直接ユーザーに2つのキーを提供し、1つはモバイルアプリ内で取引とセキュリティ管理に使用され、もう1つはハードウェアデバイス内でオフラインで保存されます。
第3のキーを同社サーバーに保存しデバイス紛失時のリカバリ救済オプションを提供するとのことです。
トピックリスト
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様子をみながら、少しずつ発信していければと思いますので、よろしくお願いします!