Diamond Hands Magazine、今回のトピックはビットコイン現物ETFです。今年1月に承認され取引が始まったETFについて、この半年を振り返ってみます!
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おさらい:ビットコインETFとは?
ビットコインETFはビットコイン価格に連動するように設計されたETF(上場投資信託)です。投資家は既存の証券口座を利用して、ビットコインに直接触れずに、ビットコイン市場に投資できるようになりました。規制、税金、セキュリティ面から現物の購入には抵抗があるけれども、ビットコイン投資に興味がある人々には魅力的な金融商品です。※ 残念ながら現状は、日本では規制のため購入できません。
ビットコインETFには先物と現物の2種類ありますが、ここでは現物のみを取り上げます。スポット型とも呼ばれるビットコイン現物ETFは、投資家がETFを購入する分、ファンドがビットコイン現物を購入し、投資家は現物を持たずにその価値を保有できる仕組みです。ビットコインの価格に連動します。
2013年に、米国SECに初めてのビットコイン現物ETFを申請をしたのはウィンクルボス兄弟でした。それから10年以上たって今年1月11日、米国でついに各社から提出されていた11銘柄のETF申請が認可されました。
半年間を振り返る
1月:米国時間11日にSECがビットコイン現物ETFを正式に承認。米国市場で11銘柄の取引開始。
2月:BlackRockのiShares Bitcoin Trust(IBIT)総資産はわずか3週間で30億ドルに。
3月:14日にビットコインが史上最高値$73,000台後半を記録。第1四半期の終了時には、SECが承認した11銘柄の総流入額は約121億ドルとなる。
4月:香港でBTC/ETH現物ETFが承認される。ビットコイン半減期を迎える。
5月:金融機関、企業、および州年金基金のビットコイン現物ETF投資が明らかに。BlackRockのiShare Bitcoin Trustは214億ドル、Grayscaleは201億ドル、Fidelityは123億ドルのETFファンドに成長。
6月:5月下旬から18日間連続で資金流入が続いたのち、7日間連続で資金流出。オーストラリアでVanEckビットコイン現物ETF取引開始。米モルガンスタンレーがETF取引に進出の噂。
以下のグラフは現物ETF11銘柄合計のビットコイン保有数推移です。(参照データ)
ビットコイン現物ETF取引開始後、これまでにETFを通じて購入されたビットコインの数は、1月11日以降新しくマイニングされたBTCの2倍を超える240000BTC以上です。需要に供給が追い付かないのでビットコイン価格は上がるという声が聞かれましたが、実際はどうでしょうか。
6月の終わりに近づき、現在は逆にビットコイン価格は下落しています。6月24日は一時58000ドル台をつけました。ビットコイン現物ETFは7日間連続の資金流出で、この日は1億7400万ドルの流出を記録しました(出典)
金融商品としてのビットコイン現物ETF
金融商品マーケットでは、ETFは資金を集めにくい商品だと言われてきたそうですが、ビットコインETFはこの定説を見事に裏切り、業界史上最速、約5ヶ月の間に150億ドル以上の資金を集めました。ゴールドETFでこの額を達成するまでには4年以上かかったそうです。ビットコイン現物ETFは、最も成功したETF商品となりました。ETFを長年ウォッチしてきたBloombergのアナリストEric Balchunas氏は、ここまで成功するETFはこれが最初で最後ではないかと述べています。
世界一の資産運用会社 BlackRock の影響
ビットコインETFのトラッキングを継続するThomas Fahrer氏によると、世界一の資産運用会社BlackRockは現在305,000 BTCを保有しています(出典)。これは今までに採掘された全BTC数の1.5%ほどです。BlackRockはETFを通じてビットコインを買い集めるだけでなく、マイニング企業や暗号資産取引所にも積極的に投資しています。
Fahrer氏は、BlackRockが50万BTCを買い上げ、1BTCが100万ドルになれば、彼らは年間手数料だけで12.5億ドルを得ることができると指摘します。彼らはサウンドマネーにもFRBを終わらせることにも興味はなく、重要なのは儲けることです。莫大な資産と金融マーケットの仕組みを利用し、ビットコイン価格を操作する可能性も考えられます。
BlackRockは、世界中の債権、株や不動産、その他資産を大量に保有し、各国政府とも深いつながりがあると言われます。各国がCBDC(中央銀行デジタル通貨)発行を推し進めようと計画する中、BlackRockや既存金融のウォール・ストリートを通じてビットコインをコントロールしようとしている可能性がないとは言い切れません。以前からMax Kaiser氏などはBlackRockの参入に危機感を示してきました。
巨大企業を通じて、世界中の食糧、物資、不動産、金融をごく一部のエリートが支配する動きを指摘する声は少なくありません。以前なら個人で購入して管理できたものが、サブスクリプションによって企業から借りる形が増えています。未来の経済は、個人所有が禁止され、国や巨大企業からレンタルするのが消費の中心になるとの予測もあります。
個人が資産を保有・管理できるビットコインは、国や巨大企業には都合が悪くなるわけで、一般投資家にはETFなど投資商品の形で、限定的・間接的なビットコイン投資を推奨しようとする意図があるのかもしれません。
参考:What Bitcoin Did – Webb & Goodwin – Why we shouldn’t Trust BlackRock
ビットコイン現物ETFの長所・短所
以下に、Blinkのブログにリストされている長所と短所を紹介します。これらは現在のマーケットを反映したものであり、将来は変化する可能性があります。
長所
アクセシビリティの向上
コンプライアンス:金融規制の遵守を保証
ビットコイン流動性の向上
投資家の増加による価格安定の可能性
ビットコイン投資参入の合理化・簡易化
税務効率に利点
短所
市場操作の可能性:人為的な価格つり上げや暴落を起こしやすい
セキュリティリスク:一極集中のカストディサービス、証券会社へのハッキング
手数料体系:将来的な管理手数料の値上がり
所有権:ETF投資家はビットコインそのものを所有できない
ビットコインETFは、既存金融サービスとダイナミックなビットコインの世界とのギャップを埋める役割を果たすことはできそうです。ビットコイン投資へのアクセス向上から規制の監視まで、投資家にとっては潜在的なメリットがあります。
日本でも機関投資家の54%が仮想通貨に投資する意向を示しているというニュースがありました。今後、規制緩和などで国内投資家がビットコインETFなどを利用できるようになれば、ビットコインそのものに興味を持つ一般投資家も増えるでしょう。投資機会の損失にならないよう、国内でもETF購入が許可されるように願っています。
けれども、ETFを通じた投資は、ビットコインの自己保管について学び、実践することの重要性に取って代わることはできません。ビットコインの本当の価値、自由を守る力を手に入れるためには、個人でビットコインを所有することが重要ですね!
Not your keys, Not your coins.
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