政府が貯金を奪った夜 /「アルトシーズンは来ない」/ テキサスがビットコインを公式に保有へ?
本日よりDH MAGAZINEの新しいシリーズとして、「BTCインサイト」をスタートします。
おっと!ご挨拶が遅くなりましたが、こちらのシリーズを担当させていただく yutaro です。よろしくお願いいたします。
現在のメンバーはAIの力を借りつつ僕ひとりですが、今後は少しずつチームを増やしていき、ビットコインに関するより多くのトピックスをスピーディーに発信できればと考えています。
さて、そんなBTCインサイト記念すべき第1回目は、以下の3つのトピックスについてまとめました。
1953年、政府が貯金を奪った夜——チェコスロバキアの通貨改革
「アルトシーズンは来ない」—— スタンフォードMBAが語るビットコインの未来
テキサスがビットコインを公式に保有へ?——戦略的準備金法案が可決
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1953年、政府が貯金を奪った夜——チェコスロバキアの通貨改革
(※本記事は、BraiinsのChief of Product & StrategyであるTomas Greif氏のX投稿をもとに要約・編集したものです)
1953年、チェコスロバキア政府は一夜にして国民の貯金を無価値にしました。
私の祖父は当時20歳。
あまりの衝撃に、50年経った今でも語り続けています。
政府が合法的に貯金を奪った日
戦後のチェコスロバキアは物資不足と高インフレに苦しんでいました。
政府は「通貨改革」を発表しましたが、14日前には「通貨変更はない」と明言していたのです。
そして1953年5月31日、突然の発表。
「今から、お金の価値を変えます」
1人300コルナまでは5:1で新通貨に交換
それ以上の額は50:1の驚異的なレート
5,000コルナを持っていた人は、翌日には100コルナに。
何十年もかけた貯金が、一晩で消えました。
「お金よりも、ウソが許せなかった」
祖父は当時、大きな貯金はありませんでした。
しかし、彼にとって許せなかったのは「政府に裏切られたこと」です。
国民の財産を守るはずの政府が自由に奪える存在だったことを、この事件は示しました。
国民の怒り vs. 政府の弾圧
当然、国民は激怒し、労働者たちが街頭に繰り出し抗議しました。
プルゼニなどの都市でデモが発生
政府は武力で鎮圧し、不信感はさらに拡大
確かにインフレは抑えられましたが、
国民の生活水準は大幅に低下
政府は国民への義務を一方的に無効化(事実上の国家破産)
この通貨改革は、「最悪級の経済政策」とされ、今も語り継がれています。
「政府を信用するな」—— チェコに根付いた教訓
この事件は、チェコの人々に「政府を信用するな」というDNAを刻みました。
「政府は国民の財産を守るのではなく、奪うこともある」
この教訓は、今もチェコ社会に根付いています。
(※原文はコチラ)
だからこそ、ビットコインが支持される
政府が自由にお金の価値を変えられるなら、そんなものに資産を預けられるでしょうか?
政府に依存しない、誰にもコントロールされないお金。
それがビットコインです。
1953年の出来事は、今のチェコでビットコインが支持される理由のひとつなのかもしれません。
「アルトシーズンは来ない」—— スタンフォードMBAが語るビットコインの未来
(※本記事は、スタンフォードMBA、元Bain & CompanyのJesse Myers氏のX投稿をもとに要約・編集したものです)
アルトコインを持っている人には受け入れがたい話かもしれませんが、私は3つの重要なポイントを伝えたいと思います。
1. アルトシーズンはもう来ない
かつて「アルトシーズン」と呼ばれた時期がありました。アルトコインがビットコイン以上に上昇し、多くの人が利益を得た時代です。
しかし、その流れは変わりました。
新しいアルトコインが増えるたびに、ビットコインの市場占有率はむしろ上昇
2020年に7,000種類だったアルトコインは、現在3,600万種類以上に増加
希少性のないデジタル資産は長期的に価値を維持できない
アルトコインの供給が無限に増えていく一方で、ビットコインの優位性は変わりません。
このトレンドが覆ることはないでしょう。
2. ビットコインはすでに「勝者」
ビットコインが特別なのは、「デジタルの希少性」を世界で初めて実現したことです。
ビットコインは2,100万枚しか存在しない
一方、アルトコインは無限に作り出せる
「デジタルの希少性」は一度きりの革命でした。
その革命がビットコインによって起こり、それ以降のアルトコインはすべて「コピー」に過ぎません。
3. 「ビットコインを早く知ることが勝ち」
「なぜもっと早く買わなかったのか」
「なぜアルトコインを選んでしまったのか」
こう思ったことがある人は多いでしょう。私もかつてアルトコインに投資し、2017年にはビットコイン以上の利益を得ました。
しかし、2018年の暴落ですべてを失いました。
そこから、なぜビットコインだけが生き残るのかを考え始めました。
なぜアルトコインは消えたのに、ビットコインは崩壊しなかったのか?
ビットコイン・マキシマリストは正しかったのか?
『ビットコイン・スタンダード』やマイケル・セイラー氏の視点を学ぶことで、私はビットコインの本質を理解しました。
そして、気づいたのです。
「ビットコインはまだ早すぎるくらいだ。今理解できれば、あなたは99.9%の人々より先を行ける」
ビットコイン1枚1,300万ドル時代が来る?
マイケル・セイラー氏は、ビットコインが今後20年で130倍になり、1枚1,300万ドルに達すると予測しています。
今、ビットコインを理解し、貯めることができれば、未来の富を手にする可能性がある
アルトコインで損をしたなら、今が軌道修正のチャンスかもしれない
(※原文はコチラ)
「アルトコインを手放せ」とは言わない。でも……
僕は、「今すぐアルトコインを全部売れ」と言うつもりはありません。
しかし、「本当に価値があるものは何か?」を考えることは重要です。
もし、あなたがまだビットコインの本質を知らないなら、今からでも遅くはありません。
「ビットコインとは何か?」
この問いに向き合うことが、未来を変える第一歩かもしれません。
テキサスがビットコインを公式に保有へ?——戦略的準備金法案が可決
(※本記事は、BraiinsのExecutive Vice PresidentであるWill Baxter氏のX投稿をもとに要約・編集したものです)
テキサス州が、ビットコインを公式に保有する道を進んでいます。
今月初め、「テキサス戦略的ビットコイン準備金(Texas Strategic Bitcoin Reserve)」を設立する法案(SB21)が州上院で可決されました。
この法案により、州がインフレや経済不安に対するヘッジ資産としてビットコインを購入・管理できるようになります。
テキサス戦略的ビットコイン準備金とは?
SB21は、共和党のチャールズ・シュワートナー上院議員が提案し、ダン・パトリック副知事の「2025年の最優先課題」のひとつとして掲げられています。
成立すれば、テキサス州は以下のような運用に。
インフレ・経済不安対策としてビットコインを保有
5000億ドル以上の市場規模を12カ月維持した暗号資産のみ対象(=ビットコイン)
初期投資として2100万ドル(約32億円)を拠出
テキサス州会計監査局が慎重に管理し、第三者監査を実施
資金は州予算、州収益、投資利益、フォーク・エアドロップ、民間寄付などで調達予定です。
上院での可決と意外な投票結果
2024年3月6日、SB21は賛成25票、反対5票で上院を通過。
しかし、意外にも反対した5人のうち4人は共和党議員。
一方、これまでビットコインに懐疑的だった民主党議員9人が賛成するなど、党派を超えた支持を得ました。
次のステップ:下院での審議
3月11日、法案はテキサス州下院に送られ、最終採決を控えています。
下院の議席構成は以下のとおり。
共和党:88議席
民主党:62議席
3分の2以上の賛成で可決されれば即時発効、単純過半数で可決された場合は2025年9月1日施行となります。
共和党がトランプ大統領の方針に従えば可決は確実ですが、一部の共和党議員が反対に回ったことを考えると、結果はまだ不透明。
(※原文はコチラ)
アメリカの「ビットコイン国家戦略」の先駆けとなるか?
もしこの法案が成立すれば、テキサスはアメリカで初めて公式にビットコインを保有する州になります。
また、現在32の州が同様の法案を検討しており、テキサスが先陣を切ることで他州の追随が加速する可能性も。
テキサスのこの一歩が、アメリカ全体のビットコイン戦略の転換点となるのか——今後の展開に注目です。
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