Lightningは誤解されている──本当の役割とは? / ICO等、トークン生成イベント(TGE)後に崩壊した9つの事例
8月は「反省会万博2025」「WebX2025」「Bitcoin Asia 2025」など、ビットコインに関連するイベントが盛りだくさんでしたね。
こんにちは!yutaro です。
さっそくですが、「BTCインサイト」本日のトピックスはこちら:
Lightning Netwiorkは誤解されている──本当の役割とは?
ICO等、トークン生成イベント(TGE)後に崩壊した9つの事例
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Lightning Netwiorkは誤解されている──本当の役割とは?
(※本記事は、Bitcoin Magazineに掲載されたChristian Keroles氏の記事をもとに要約・編集したものです)
Lightning Networkは、ビットコイン上に構築された最もエキサイティングで革新的な技術のひとつです。しかし同時に、最も誤解されている存在でもあります。
初期から「PLEBNET」のような草の根運動や、Lightningアプリ(LApps)による未来像、さらにはノード運営で利回りを得る夢が語られてきました。多くの人はLightningを、ビットコインノードと同じように「誰でも気軽に立ち上げられ、完全に分散化された仕組み」と期待しました。しかし現実には、Lightningノードを適切に運営するには技術的スキルと資本が必要で、一般ユーザーにはハードルが高いのです。
これはLightningの欠点ではありません。Lightningは最初から「すべてのユーザーが自らインフラを持つ」ことを目的に設計されたわけではなく、むしろ役割を明確に分けることで強みを発揮する構造になっています。
カストディ利用は「妥協」ではない
このハードルの高さから、多くのユーザーはStrike、Blink、Wallet of Satoshi、Cash Appなど、カストディ型ウォレットやネオバンクを使ってLightningにアクセスしています。Lightning URLや即時・低手数料の決済、そしてアプリとしての信頼性やUXを提供するこれらのサービスは、確かに一部の人には「中央集権的な妥協」に見えるかもしれません。しかし実際には、Lightningが誰にでも簡単に運用できるものではないことを前提とすれば、むしろ理にかなった形です。
Lightningの本質は「すべての人がノードを走らせる」ことにあるのではなく、プロフェッショナルな事業者や熟練したオペレーターがネットワークを運営し、一般ユーザーはその利便性を享受する──そういう分業モデルにこそ強みがあります。
Lightningは失敗ではなく、インフラである
Lightningを批判する人々は、ユーザーが全員ノードを持たないことを理由に「Lightningは失敗だ」と言います。しかしこれは見当違いです。Lightningは「エンタープライズ級のインフラ」として設計されており、取引所や決済事業者、ウォレット開発者などが運営することで、堅牢かつスケーラブルなリアルタイム決済を支える仕組みとなります。
ここで重要なのは、「Lightningは一部の専門家だけの道具だからこそ成り立つ」という点です。これは決して中央集権化ではなく、むしろグローバルにオープンで、パーミッションレスな金融インフラを築くことにつながっています。さらに、LightningはeCashのような他のレイヤー2技術とも結びつき、ビットコインを核とする相互運用の“接着剤”になりつつあります。
世界で広がるLightningの実例
ケニア「Tando」
ケニアのM-PESAは、3,400万人以上が利用するモバイルマネーで、GDPの約60%を占める存在です。Lightningを利用したアプリ「Tando」は、このM-PESAと直接接続し、誰でもビットコインで決済できる仕組みを提供しています。M-PESAが使える場所ならどこでもLightningで支払えるようになったのです。オンチェーン決済では遅すぎる場面も、Lightningがあるからこそリアルタイムで実用化されています。
Strikeのグローバル展開
PayPalは200か国以上で利用可能になるまでに17年を要しました。しかしStrikeは、Lightningを基盤にしてわずか5年で100か国以上に進出しました。銀行インフラに頼らず、現地の取引所やパートナーと連携してLightningで瞬時に送金を実現したのです。このスピードは、既存の金融インフラでは到底実現できないもので、Lightningが国際送金において持つ優位性を示しています。
NostrのZap機能
Jack Dorsey氏も支持するLightningベースのマイクロペイメント機能「Zap」。2023年以降、Nostr上でのZapは標準機能となり、数百万件もの支払いがLightning経由で行われました。William Casarin氏(jb55)が提案したNIP-57によって、Zapはユーザー体験としてシームレスに統合され、ソーシャルと経済が融合する新しい形を示しました。
草の根型インフラ
ブラジルのPraia BitcoinやアルゼンチンのLa Cryptaのように、地域ごとにLightningノードを運営し、コミュニティ独自の金融インフラを作る動きも登場しています。これにより、大手事業者だけでなく地域に根ざした多様なプレイヤーがLightningを運営することで、より分散したネットワークが実現します。
Lightningの真価
Lightningは「誰でも簡単に使える万能な仕組み」ではありません。むしろ、専門家や事業者がインフラを担い、一般ユーザーは利便性を享受するという役割分担を前提とした技術です。
そのため「カストディ型利用は失敗だ」という批判は的外れであり、むしろLightningが正しく機能している証拠です。Strikeの国際展開やNostrのZap、アフリカの金融アクセス改善など、Lightningはすでに現実社会に影響を与えており、数年前には想像できなかったユースケースを可能にしています。
Lightningはビットコインのスケーリングロードマップにおける中心的存在であり、金融の自由を広げる基盤技術です。期待を誤解せずに正しく理解することで、その本当の価値と未来の可能性が見えてきます。
(※原文はコチラ)
ICO等、トークン生成イベント(TGE)後に崩壊した9つの事例
ビットコイン以外のトークンやNFTは、ほぼ例外なく詐欺的な構造を持っています。
一見すると莫大な資金を集め、華やかに見えるプロジェクトも、実態は脆弱な仕組みや無責任な創業者に依存しており、結果的に投資家の資産は失われてきました。以下は、その典型例です。
(※以下は、StarPlatinum氏のX投稿を元に要約・編集しています)
Jason Zhao – Story Protocol ($IP)
VCから総額2.16億ドルを調達し、2025年2月にトークン上場。
しかしわずか半年後、ZhaoはCEOを辞任しAIスタートアップへ転身。
$IPは現在 $5.8 まで下落。
Chef Nomi – SushiSwap ($SUSHI)
Uniswapをコピーし、TVLは一時10億ドル超。
2020年8月に立ち上げるも、9日後に1,400万ドルの開発資金を売却して離脱。
SUSHIは即座に-73%暴落。後に資金を返還したが信頼は回復せず。
Sam Bankman-Fried – FTX ($FTT)
シリーズBで9億ドルを調達し、世界2位の取引所に。
しかし2022年11月、FTTは $22 → $1未満(-98%)へ。
SBFは逮捕され、FTXは破産。
Daniele Sestagalli – Wonderland ($TIME)
10億ドル規模のトレジャリーを背景に2021年12月に始動。
翌月、財務担当がQuadriga詐欺事件の元関係者と判明。
TIMEはATHから-95%崩壊。
Iron Finance ($TITAN)
匿名チームが2021年6月に開始。
TITANは一時$64まで上昇したが、1日でゼロへ。
DeFi初の“大規模バンクラン”として知られる。Mark Cubanも被害。
Do Kwon – Terra ($LUNA)
3,200万ドルを調達し、分散型ステーブルコインを約束。
USTとLUNAは一時600億ドル規模の帝国に。
2022年5月、72時間で崩壊。LUNAは $86 → ほぼゼロ。
崩壊直前にTerraform Labsを解散。
Martin van Blerk – Pixelmon
2022年2月、NFT販売で7,000万ドルを調達。
アート公開が大失敗、1か月後に創業者が辞任。
フロア価格は回復せず。
Do Kwon(再び) – Basis Cash ($BAC)
2020年12月に匿名で立ち上げ。
TVLは一時1.74億ドルに達したが、3か月で崩壊。
$BACは $1 → 1セント未満に。USTの“失敗作プロトタイプ”。
AnubisDAO
2021年10月、匿名チームが6,000万ドルを調達。
しかし20時間後に資金が消失。
Tornado Cashを通じた典型的なラグプル。
(※原文はコチラ)
まとめ
これらの事例に共通しているのは、創業者の無責任な離脱、仕組みの脆弱さ、そして投資家が最後に泣きを見る構造です。
アルトコインやNFTは、資金を吸い上げる仕組みに過ぎず、必ず崩壊の歴史を繰り返してきました。
だからこそ、誰にもコントロールされず、詐欺的な仕組みを必要としない唯一の存在(=ビットコイン)にこそ、価値や魅力を感じるのかもしれません。
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