Diamond Hands Magazineは、今月から水曜まとめニュースおよびマイニングニュースをしばらく休止して、トピックを絞った記事をお届けしていきます!今回は日本の円安とビットコインについてまとめてみます。
なお、このニュースレターは投資を推奨するものではありません。学びとエンターテイメントを目的に提供しています。
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おさらい:円安とは?
最近はニュースで「円安」という言葉を聞くことが増えましたが、簡単に言えば「円安は円の価値が下がることを指します(出典)」数年前は110円で米ドル$1.00を購入できたのに、今は150円以上出さないと同じ$1.00が手に入りません。
投資においては、基本的に金利の高い通貨で運用する方が利益が見込めるため、お金は金利が低い方から高い方に流れる傾向にあります。現在、日本の政策金利はほぼ0%、米国は5%以上です。そのため、米ドルの需要が高まり「円安ドル高」になっています。
米ドル対円相場を5年前と比較する
2020年の米ドル対円相場はほぼ110円以下でしたが、6月14日現在は157円になっています。4月下旬には一時160円を超え、円安進行を抑えるために日銀がゴールデンウィーク中に為替介入し、過去最大規模、約9.8兆円分のドル売り円買いが行われました。
海外に行くと、日本との物価差に驚く人も多いと思います。ビックマックの値段を日米で比較すると、現在の価格差は1.8倍以上です。
日本:2020年は294円、現在2024年は480円にアップ。(出典)
米国:2020年は $4.89 x 110円 = 約538円相当、2024年は$5.69 x 157円 = 約893円。(米国は価格に地域差があるので、全国平均価格で計算しています)
なお、ここでは詳しく説明しませんが「実質実効為替レート」で日本円の価値を図ると50年前に逆戻りというニュースも時々見かけます。もはや1ドル360円の時よりも、実際の円の価値が下がってしまったと言われています。(出典)
円安が引き起こす国内の物価高
最近は、投資やビットコインに縁のない人が、日本国内で物価が上がったなぁ、収入はあまり増えないのに給与から天引きされる額は増えて、生活が厳しくなってきたと感じる機会が増えているそうです。
日本の2024年3月の実質賃金は-2.5%、消費者物価指数は前年同月と比べ+2.6%。つまり収入は減っているのに物価が上がる、スタグフレーションが起きています。
金融緩和が続き、円の供給量が増えれば円自体の信用も価値も下がります。以下のグラフを、三井住友信託銀行のサイトから引用させていただきます。
日本は多くのモノを輸入に頼っています。2020年のエネルギー自給率は11.3%、しかもエネルギー全体のうち83%を輸入の化石燃料に依存しています(出典)。経済活動のベースとなるエネルギー資源の輸入は、円安ドル高になればなるほど日本にとって高くつき、その値上がり分が消費者価格に上乗せされます。
通貨の力が弱まると、エネルギー・原材料・食糧の輸入価格が高くなったり、世界各国との競争に負けてモノ自体が輸入しづらくなったりして、生活に影響が出てきます。現在は、薬の原料や航空燃料が輸入しづらく品薄になっている問題が指摘されています。
ビットコインの世界から見る通貨
以前にニュースレターに書きましたが、読者の皆さんは日本円でのビットコイン過去最高値(ATH)達成が他の国と比べて早かったことを覚えてますか?日本で2月14日にATHを付けたとき、米ドルではまだ $53,000にも達していませんでした。早くビットコインのATHに到達する通貨ほど、世界の中では弱い通貨とみなされます。
これを逆に考えれば、弱い通貨をさっさとビットコインに変えておけば、通貨価値が下がる損失から資産価値を守ることができます。これはビットコインスタンダードで考えれば、個人、企業、組織、国レベルにまで当てはまります。
デジタルゴールドとしてのビットコイン
世界一の資産運用会社BlackRock社CEOであるLarry Fink氏は、昨年7月にビットコインはデジタルゴールドであり世界的な資産であるとインタビューで述べました。また、85%の資産をビットコインにすることを提案した同社のレポートが見つかり、話題になりました。
米国でも、米ドルの価値が下がっていると認識している人が増えています。著名投資家のレイ・ダリオ氏や「金持ち父さん 貧乏父さん」で知られるロバート・キヨサキ氏は「現金はゴミだ」と言い続けています。同国の2020年以降のインフレ率はこの5年間で20%以上になっています。つまり、ドルの価値が20%下がったのです。
以下のチャートのM2(青線)は米国の「現金通貨+預金通貨+準通貨+譲渡性預金(CD)」の通貨残高合計、マネーストックを示しています。市場に米ドルがどんどん供給され続けており、米ドルも世界の基軸通貨としての信用と価値が失われてきています(出典)。
現在の世界情勢および米ドル基軸通貨の信用低下によって、現在30か国以上が、米ドル脱却を目指すBRICSへの加盟に関心を示しています(出典)。このような状況だからこそ、対米ドルでもビットコインは価値が上がり続けます。
国の金融政策や世界情勢によって価値が減ってしまう日本円や米ドルなどの法定通貨よりも、世界に通用する資産で、自分の労働や投資から得た報酬を長期間安全に保存したいと考えるなら、ビットコインを持つのは自然なことではないでしょうか。
今までの常識では、働いた報酬を価値が上がっていく株や不動産に投資するのが良いとされてきました。しかし、日本円の価値が世界の他の通貨に対して力を失ってくると、円を基準にした企業の株や不動産では、自分の資産価値を守れなくなる可能性が高まります。同様に、米国では、ドルを基準にした資産だけを持つことをリスクだと考えている人が増え、ビットコインや貴金属の人気が高まっています。
あらゆる法定通貨がビットコインに対して安くなっていく中、今やビットコインを持たないことのほうがリスクであるという考えが、ビットコイナーだけでなく機関投資家にも少しづつ広がっています。
皆さんのまわりで、投資未経験者や初心者だと、ビットコインが視界にも入らない、1BTCが高額すぎてまったく縁がないと思っている人も多いかもしれません。けれども、国内の暗号資産取引口座数が1000万を超えましたし、風向きは良さそうです。
ビットコインを購入したことのない人が、家族や友人を通して、あるいはライトニングマルシェ、メルカリ、Nostr経由などで、体験する機会が増えるといいですね。
円安あるいは通貨安のリスクを軽減しようとするなら、ビットコインを選択肢に入れることが有効かもしれないと、より多くの人に伝わるといいなと思いつつ、今回のトピックはこれで終わりにします。
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