Diamond Hands Magazine、今回はビットコインマイニング関連のニュースをまとめてお伝えします。今週は割と大きなニュースが次々と入ってきていますが、以下については別の機会に詳しくお伝えしたいと思います。
マイニングプールの一部がOFACに規制される国/地域からの取引をブロックから排除する動き(出典)
日本時間11月29日0:30AM~にOCEANマイニングカンファレンス。オンラインでJack Dorsey, Luke Dashjr, Giacomo Zucco, Bob Burnett等が登壇予定。
史上最高額約4.6億円相当、83.7BTCのマイニング手数料発生(出典)
重要リンク集💎🙌
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Lost in Bitcoin(ビットコイン学習リソース集)
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マイニング収益性、4カ月ぶりに高水準
11月8日のForbes Digital Assets記事によると、ビットコインのマイニング収益が今年7月3日以来の高水準に達しました。
この日はハッシュプライス(マイナーがその計算能力、ハッシュレートの価値を測定するために使用する指標))が$79/PH/dayになり、前週比で$71/PH/dayから11%上昇を記録。ビットコインマイナーの収益性は短期的に向上しました。
11月はビットコインのNFT分野、特にOrdinalsまたはInscriptionsが人気トレンドとして浮上しています。これらのNFT(画像、動画、ゲームなどのデータファイル)はビットコインのブロックチェーン内に保存されます。
(参考:Ordinals Walletから11月19日付データ)
Inscriptionsで、特にBRC-20トークンはビットコインの取引手数料に影響を与えます。これらトークンのミントはブロックチェーンの空間を占有し、トランザクションの混雑と手数料上昇につながります。
今月の手数料高騰は、特にバイナンスがORDI BRC-20トークンを組み入れたことが影響しています。11月第1週目は、インスクリプション活動の98.6%がBRC-20のミントによるものでした。
ビットコイン手数料高騰時は、個人のビットコイン/ノンカストディアルのライトニング取引にも影響しますので、送金前にmempool等で確認しましょう。
パラグアイ:イタイプ・ダムの余剰電力を利用し、マイニング施設立ち上げ
マイニング企業Sazmining社は、パラグアイでイタイプ・ダムを電力源とする100%再生可能エネルギーのマイニング施設を新たに立ち上げました。
同社は顧客所有のビットコイン・マイニング・リグを代理で稼動し、サービスに対して15%の手数料を取得します。
パラグアイとブラジルの国境に位置するイタイプ・ダムは、地球上で最も高価な建造物としてギネス世界記録に認定されています。
両国が共有するこのダムは、余剰電力をマイニングに供給し、今までパラグアイが抱えていた電力輸出における損失問題を解決すると同時に、Sazmining社の事業を支えます。
同施設のエネルギーコストは1キロワット時あたり0.047ドルで、米国平均の0.17ドルを大幅に下回っています。
パラグアイは、テキサス州のモデルを見習い、送電網の補強とともに、ピーク時の使用量削減に対するエネルギークレジットの導入を行うエネルギー管理プログラムを計画しています。
ゴミ埋立地からメタンガス利用のパイロットプロジェクト開始
Marathon Digital Holdings, Inc. は、再生可能エネルギー資産、特にバイオガス分野を開発・運営するNodal Power社と契約を締結し、ユタ州でゴミ埋立地から排出されるメタンガスのみを燃料とする280kWのビットコインマイニング・パイロットプロジェクトを開始しました。このプロジェクトは現在、完全に通電され稼動しています。
国連環境計画(UNEP)は、メタンは「放出後20年間はCO2の80倍の有害性がある」と算出しています。また、環境保護庁(EPA)によれば、2021年に米国で排出された全メタンガスの約14%を占める一般廃棄物からの排出は、「重要なエネルギー資源を回収し利用する機会を失ってきた」ことになります。
Marathonのパイロットプロジェクトは、埋立地から排出される有害なメタンを回収して電力に変換し、その電力をマイナーの電源として使用する能力を検証するために実施しています。同社は、事業多角化の一環として、完全に再生可能な非電化エネルギー源をビットコインマイナーの電力源として利用しながら、温室効果ガスの排出削減に貢献できる革新的な方法を模索しています。
より詳しいストーリーはBitcoin Magazine記事「Cashing in on Trash」にも紹介されています。
米国マイニング業界に大きく貢献したERCOT前CEO、Brad Jones氏
Daniel Batten氏は11月9日のツイートで、米国マイニング業界に大きく貢献したERCOT(テキサス電気信頼度協議会)前CEOのBrad Jones氏が亡くなったことを伝え、追悼しました。
あまり知られていませんが、Brad Jones氏は、ビットコインにとってHal Finneyがそうであったように、ビットコインマイニングにとって多くの意味で重要な人物でした。
2021年冬のストーム Uri による壊滅的な被害で、テキサス州の数百人の人命と数十億ドルが失われた後、当時引退していたJones氏はERCOTによってCEOとして呼び戻され、大胆な驚くべき送電網安定化プログラムに着手して大成功を収めました。その2本柱は、古い発電設備の耐候化と、ビットコインマイニングによるERCOT需要応答プログラムのアップグレードでした。
新しい技術が誤解されたり、中傷されたりすることが多い時代にあって、Jones氏は、グリッドにおけるビットコインの有用性を理解するために身を乗り出して深く努力した数少ない人物の一人でした。
彼は一連の実験を通して、ビットコインマイニングが送電網における再生可能エネルギー普及に対処する方法について重要な答えを提示できることを理解しました。彼のCEO時代、ビットコインマイニングは急速に増加し、送電網に数ギガワットの柔軟性を持たせられるようになりました。
これにより、グリッドへの再生可能エネルギー導入が促進され、彼の言葉を借りれば、テキサス州民全員の電気料金を低く抑えることにもつながりました。太陽光や風力などの再生可能エネルギーの非継続性という難点を相殺する一方で、ERCOT送電網のピーク需要が増加し続けているにもかかわらず、新たなガス火力発電所の購入を回避することにも成功しました。
ビットコインマイナーたちとのある会合で、Brad Jonesが「私はリスクを嫌うので、ビットコインには全く手を出さない。しかし、送電網を安定させるためにビットコインがいかに重要であるかは理解できる。」と述べたことは有名です。
Jones氏の執政の下、送電網が再び停電に見舞われることはありませんでした。彼のビジョンと現実主義の交差から示された彼の模範は生き続けます。ご冥福をお祈りします。
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