ビットコインマイニングニュース Vol.1
先月に番外編でお届けした Diamond Hands Magazine ビットコインマイニングニュースが意外にも好評でしたので、これからも月1ペースでマイニング関連ニュースをまとめてお伝えしていきます。
Diamond Handsコミュニティは国内外の関連企業から支援してもらっています。ありがとうございます!
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Lost in Bitcoin(ビットコイン学習リソース集)
Mining Disrupt 2023
7月末に米フロリダ州マイアミで開催されたマイニングカンファレンスMining Disrupt 2023では、ロバート・ケネディ氏が登場したことが話題になりましたが、ビットコイン価格が低迷する中でもマイニング業界の人々が集まり活気がありました。
Forbes DIGITAL ASSETSの記事は、来年4月ごろの半減期ごろにはさらに価値が上がると予測されるビットコインへの期待から、プレゼンターも参加者もみなビットコインに超強気だったと伝えています。
多くのカンファレンス登壇者が、マイニング分野における規制の明確化が必要であるという共通認識を示しました。米国では連邦政府レベルの規制に直面しなければならないと同時に、州レベルでの受け入れと法制化を求めてロビー活動が要求されます。
デニス・ポーター氏率いるSatoshi Action Fundは、モンタナ州とアーカンソー州でビットコインをマイニングする権利の保障を獲得。また、彼らはテキサス州で反マイニング法案を廃案に追い込むことに貢献しました。
会場の様子はこちらのYouTubeで見ることができます。
猛暑によるマイニングコスト高騰
7月末、米テキサス州は猛暑に襲われ、州内の電力需給調整を行うThe Electric Reliability Council of Texas (ERCOT) 管内西域で一時1BTCのマイニング費用が1.3Mドル(約1.9億円)に高騰し、マイニングをすると大赤字になる状況になりました。
しかしながら、ビットコインのハッシュレート調整により、マイニング業界はこの状況をうまく切り抜けています。
Riot社、猛暑中に電力クレジット売却で数千万ドル稼ぐ
8月9日のBloomberg Newsによると、テキサス州で世界最大級のビットコインマイニング施設を運営するRiot Platforms Inc.は、猛暑の中、電力需要が記録的な高水準に達したため、同州で最も暑い数カ月の間に数千万ドルを稼ぎました。
同社は、マイニング収入4,970万ドルを計上する一方で、四半期中に1,350万ドルの電力抑制クレジットを計上。2022年には2730万ドルの電力抑制クレジットを、2021年にはERCOTへの電力販売から650万ドルを計上しました。
Riot社は、長期電力契約に基づいて市場主導のスポット価格でERCOTグリッドに電力を売却することで得る電力抑制クレジットやERCOTの需要応答プログラムへの参加によって、柔軟に電力需要対応を行っています。
同社は、Marathon Digital HoldingsやCore Scientificと並んで、演算能力でトップクラスのマイニング企業ですが、事業を多角化する努力によって長引くクリプト業界の冬にうまく対応しています。
株式公開マイニング企業によるビットコイン売却枚数が最多に
株式公開しているビットコインマイニング企業が今年になって市場に売却したビットコイン枚数は、過去最多になっています。ビットコイン価格低迷とクリプトの冬で利潤が減っているため、一部の企業は多角化によってうまく経営をすすめようとしている一方、体力の弱っている企業は操業資金をやりくりするためにビットコインの売却が必要になっています。
以下のグラフにある緑色のバーはマイナーから取引所に売られたBTCの数を示しています。今年の夏は特に売却が増加しているようです
https://twitter.com/bitcoinnewscom/status/1687168958775054336
注目のビットコインマイニング学術論文
ビットコインマイニングがエネルギーグリッドの脱炭素化に貢献する可能性と、その過程における厳しい現実的な課題を明らかにした学術論文が注目されています。
Bitcoin’s Carbon Footprint Revisited: Proof of Work Mining for Renewable Energy Expansion内容については、TH_Satsさんがまとめた論文の要約をぜひご確認ください。
デニス・ポーター氏によると、この論文は、発表後2日間でAltmetric社が今までに追跡する全2400万以上の研究論文トップ5%の閲覧数に、過去6か月間ではトップの閲覧数になっています。
この論文は、ビットコインマイニングの環境への影響の再評価を行い、再生可能エネルギーの拡大、およびより広範な脱炭素化の促進剤としての潜在的な役割を強調。
著者のブロックチェーン研究者Juan I. Ibanez とAlexander Freier博士は、再生可能エネルギーを用いたマイニングは、エネルギーグリッドのCO2削減効果を促進する可能性があるが、その実現には、鍵となるマイニング手法の適応が必要であると報告しています。
米テキサス州、ビットコインマイナー誘致を促進する免税プログラム
テキサス州は、好ましくない温室効果ガス(メタンガス等)の漏出をビットコインの採掘用電力に使用するエネルギー生産者に対し、石油・ガス生産に課す税金の免除を発表しました。
地域暖房から埋立地のメタンガス利用など、温室効果ガスを削減するビットコインマイニングプロジェクトを誘致するテキサス政府のインセンティブ効果が期待されます。
米ケンタッキー州、地元マイナー企業に400万ドルの電力割引を承認
ビットコインマイナーに好意的な米国ケンタッキー州の公共サービス委員会(PSC)は、地元のビットコイン・マイニング企業Bitiki-KYに対して400万ドル相当の電力割引を承認し、同州をマイナーにとって費用対効果の高いエネルギー・オプションの魅力的な場所にしています。
Bitiki-KYは、5年間の経済開発契約の一環として、ケンタッキー電力会社から割引を受けました。Bitiki社は施設に約2500万ドルを投資し、5人の新規雇用を創出することを約束しました。
この契約は、雇用創出に関して政治団体やエネルギー団体から問題視されましたが、PSCは、公益事業会社が州法により具体的な雇用数を義務付けられる必要はないとして、その懸念を退けました。
税制優遇措置やマイニング事業に対する他の有利な条件に加えて、さらに今回の電力割引の決定で、ケンタッキー州はマイニング事業を立ち上げるのに適した州上位にランクインしています。
https://blockworks.co/news/kentucky-bitcoin-mining-energy
Bitmain社、9月にAntminer S21を発表
Bitmain社は、同社主催のWorld Digital Mining Summit 2023でフラッグシップモデルAntminer S21を発表予定です。このサミットは9月22日から23日まで香港で開催され、"Building up for the Bull Market, Mining at the Right Time"をテーマとしています。
S21はビットメインの先駆的シリーズの最新モデルで、20J/TH以下の効率を達成しました。これは、29.5 J/THのS19 Proや20.8 J/THのS19 XP Hydといった従来モデルと比較してパフォーマンスが向上しています。
Antminer S21の発表に加え、サミットでは参加者に特典を提供します。ビットメイン社は、S21クレジットラインと限定割引を利用可能にするカスタマーボーナスポイントシステムを導入。これは、顧客に報酬を与え、長期的なロイヤリティを育成するビットメインの戦略の一環とのこと。
https://coinmarketcap.com/community/articles/64da66ed4b2e2d3caa349da4/
BTCマイニングプールランキング
みなさんは Mempool でマイニングの各種情報を閲覧することはありますか?https://mempool.space/miningに行くと、現在のブロック情報だけでなく、マイニングプールランキングやハッシュレートの状況がわかります。
以下の円グラフを見ると、マイニングプール 米国Foundry がリードしていますが、それぞれ2位、3位の中国系AntPoolおよびF2Poolもかなり健闘しています。
では、今回はこの辺で終わります。
暑さが続いてますので、どうぞ皆さん夏バテに気をつけてお過ごしください!