SEC委員長、Bitcoin以外はSEC管轄下との見方/Xapo BankがLightningのインテグレーションを発表
Diamond Hands Magazine Vol.62
th_satです。
Diamond Hands Magazine、ビットコインを巡るビジネス面・規制面の動向のまとめです。
ビットコインをめぐるビジネス面の動向(ペイメントや社会生活での利用や、金融機関での金融商品としての取り扱いなど)、規制の動向、その他で気になる個別トピックについて、ゆるく紹介しています。
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それでは、早速直近2週間のトピックを紹介したいと思います。
1. 規制関連の動向
米SEC委員長、Bitcoinスポット取引以外の取引がSECの管轄下との見方(出典)
米SEC Gary Gensler委員長が、NYMAGとのインタビューにおいて、「Bitcoin自体のスポット取引と、クリプトを使った商品やサービスの実際の売買以外の、あらゆる種類のクリプト取引が既にSECの管轄下にある」との見方を示しています。
その背景として、「それらは中心にグループがあり、そのグループに基づく利益を予想しているため、証券にあたる」という点を挙げています。
米モンタナ州議会上院でBitcoinマイニング権に関する法案が通過(出典)
この法律案では、自宅での採掘を保護し、マイナーに差別的な電気料金を請求することを禁止するほか、地方自治体がゾーニング法を使って暗号採掘事業を停止する権限を剥奪することを定めています。
また、支払い方法としての暗号通貨の使用に対する課税を禁止し、デジタルアセットを株式や債券などの他の金融商品同様の「個人資産」として規定しています。
上院で37対13で可決され、次は州の下院で承認される予定とのことです。
香港証券先物取引委員会(SFC)、仮想資産取引プラットフォームの運営者に対する要件案に関する協議を開始(出典)
今年6月1日に施行される新しいライセンス制度において、香港で事業を行う、または香港の投資家に積極的にマーケティングを行う集中型の仮想資産取引プラットフォームは、すべてSFCのライセンスを取得する必要があるとしています。
この仮想資産取引プラットフォームの規制要件は、証券先物条例に基づく現行制度の規制要件をベースとし、認可を受けた証券ブローカーや自動売買取引所と同等のものとなっています。
トピックリスト
国際決済銀行BIS、「2015年8月から2022年12月にかけての主要な暗号資産取引プラットフォームのデータでは、暗号資産アプリ利用者の大半がBitcoinの保有額で損失を出した」とするレポートを発表(出典)
IMF、暗号資産向け政策策定ガイダンスを発表。暗号資産はIMFの任務の中核をなす政策に影響を及ぼすとした上で、特にその普及は金融政策の有効性を損なうとし、暗号資産に法定通貨の地位を与えるべきではないとしている(出典)
米FRSとFDIC・OCC、暗号資産マーケットの脆弱性に起因する銀行オペレーションへの流動性リスクについて合同声明を発表(出典)
米カリフォルニア州金融保護革新局(DFPI)、消費者からの苦情に基づく暗号通貨詐欺トラッカー「Crypto Scam Tracker」を公開。会社名、詐欺の種類、キーワードで検索可能(出典)
G20財務大臣・中央銀行総裁会議をうけ、BISとIMFが2023年9月までに暗号資産の規制に関する統合報告書を発表へ(出典)
FATF総会にて、多くの国が「トラベルルール」等の改正要件を実施できていないとして、実施レベル棚卸し含む実施改善に向けたロードマップに合意(出典)
2.ビジネス関連の動向
Xapo Bank、Lightning Networkのインテグレーションに向けLightsparkと協業を発表(出典1, 2, 3)
ジブラルタルに拠点を置く、規制下の金融機関であるXapo Bankが、Lightningネットワーク決済に対応しました。
Xapo Bankのブログにて、Lightspark社との戦略的パートナーシップを通じて、銀行として初めてLightning Networkベースの決済をサポートすることになったことを発表しています。
これにより、Xapo BankアプリでLightning決済が可能になるとのことです。両社は過去数カ月をかけて、クローズドベータとして準備を進めており、近日中に詳細が発表されるとのこと。
Xapo Bankは、ハッキングや倒産から完全に保護され保険がかけられる世界初のBitcoin保管・セキュリティサービスである「Xapo」の評判を礎として、従来の銀行と暗号通貨をネイティブに組み合わせた最初の銀行として、2021年に設立されました。
Silvergate銀、年次報告書を期限内に提出できなかったことが明らかに(出典1, 2, 3, 4, 5)
Silvergateが米SECに提出した通知書において、「Silvergate Capital Corporationとして、年次報告書(Form 10-K)を所定の期間である3月16日までに提出できる状態にない」旨が示されました。
背景として、情報の相当部分は現時点で完成しているものの、「仕訳の記録および財務報告に係る内部統制の経営陣による評価を完了するために追加の時間を必要としていること」「会計事務所が一定の監査手続を完了するための追加時間を必要とすること」および「当社に関して係属中の特定の規制当局その他の照会及び調査について分析を行っていること」等を挙げています。
また、FTXおよびAlameda Researchとの取引をめぐって米国司法省から調査を受けていることも、Bloombergの報道で明らかになりました。
これを受け、CircleがSilvergateとのサービスを停止した他、GeminiもSilvergateを通じて取引所へのACHおよび電信送金による顧客の入金受付/出金処理を停止しており、また、CoinbaseもSilvergateとの間の支払いの受け入れや開始を停止したことを発表しています。
HSBCとNationwideが、英国における暗号通貨購入に制限を導入(出典, 2, 3)
英当局FCAが暗号通貨の購入に伴うリスクを警告したことを受け、英国の銀行HSBCとNationwideが、英国における暗号通貨購入に制限を導入したことを明らかにしました。
英FCAは、2021年11月の時点で、「暗号資産への投資、または暗号資産に関連する投資や貸付は、投資家の資金を非常に高いリスクにさらすことになり、消費者がこれら商品に投資する場合、全財産を失うことを覚悟する必要があるとする警告を発行しています。
英当局FCAの警告を踏まえた、今回発表されたHSBC以外の動きとしては、Santander UKも、2022年11月から、モバイル・オンラインバンキングを使って暗号通貨取引所へ送信可能な金額を、一回あたり1,000ポンド、30日間の合計限度額を3,000ポンドに制限しています。
Bitcoin マイニングの少なくとも52.6%がサステナブルエネルギーによるもの(出典)
ESG投資家がBitcoinに違和感を覚える理由の1つとして、CCAF(Cambridge Centre For Alternative Finance)の調査「A Deep Dive Into Bitcoin's Environmental Impact」が、Bitcoinは37.6%しか持続可能エネルギーを使用していないと報告したことがあるとされます。
CCAFのウェブサイト中の「Limitations Of The Model」によれば、CCAFのモデルにはいくつかの要素(オフグリッドの採掘, フレアガスマイニング, 地理的ハッシュレートの更新)が含まれていないため、Bitcoinの持続可能エネルギーの割合を13.6%も過小評価することが明らかになったとのことです。
トピックリスト
ZionがWeb5 Frameworkを使う理由
「特定サービスが停止していても、DWNのデータにはアクセスできる」および「Lightning 決済とDID認証により、サービスを仲介することなしに、データの転送や独自コントラクト作成ができる」点をあげています(出典)
スイスLugano市、Bitcoinスプリングスクールプログラムを発表へ(出典)
東南アジアでのBitcoinマイニングが加速し、タイ・ラオス・マレーシア・カンボジア・シンガポールなどにハッシュレートが分散化(出典)
Chainalysis「2023 Crypto Crime Report」によると、暗号通貨詐欺からの収益は市況悪化に伴い減少しており、2022年には46%減少したとのこと(出典)
独DZ Bank、デジタルアセットカストディサービスのパートナーにMetacoを選定。Citibankや Societe Generale等に続くもの(出典)
様子をみながら、少しずつ発信していければと思いますので、よろしくお願いします!