Diamond Hands Magazine、水曜日のビットコインニュースまとめです。
みなさん、こんにちは。ゴールデンウィークはいかがでしたか?いつもと変わらずお仕事された方もいらっしゃると思いますが、遠出して電車の混雑や道路渋滞で大変だった方もいるかもしれませんね。私はネットで東京駅の混雑ぶりを見てびっくりしました!近所のビーチは流木で混んでいました。
5月に入り、ビットコインネットワークもトランザクション渋滞で手数料が高騰しています。今日はこの件について少し詳しく取り上げたいと思います。
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重要リンク集💎🙌
Diamond Hands Wiki (ライトニングやルーティングに関するリソース集)
Lost in Bitcoin(ビットコイン学習リソース集)
ビットコイン関連イベント
先月25日から Strike のライトニング送金サービスがスタートしたグアテマラでは、Bitcoin Lakeにて5月5日に Lago Summit '23 が開催されました。グアテマラのAntiguaには、ビットコイン払いも受け付ける評判の良いラーメン屋さん Kombuがあるそうです。今月18-20日には、いよいよ Bitcoin 2023 がフロリダ州マイアミビーチで開催されますね。
ビットコイン手数料の高騰とBRC-20トークン
一時落ち着いていたビットコインネットワークの状況が5月に入り急に悪化しています。米国時間の5月7日には47万件以上のトランザクションが未処理になっており、mempool をざっと見たところ手数料が1biteあたり 500 sats前後、最高額は 9522 satsをつけていました。ブロック 788695 ではマイナーがブロック報酬 6.25 BTCに加えて、それより多い 6.71 BTCを手数料で受け取りました!これはビットコインの歴史上初。しばらく不調だったマイニング業界にとっては朗報でしょうか?個人マイナーもエキサイトしているようです。
COINTELEGRAPHの5月8日記事「バイナンスが一時出金停止、ペペコインの影響か」で説明されているように、ビットコインのトランザクション渋滞で取引所の送金処理が遅れるなど影響が出ています。この状況を知らずにビットコインをオンチェーン送金したために高い手数料を取られたり、送金が完了しないなど問題が発生していますので、ビットコイン送金が必要なユーザーは注意が必要です。
4月に突如現れたPEPE(ペペ)コインは、ビットコインのOrdinal技術を使用してsatoshiにデータ結合させたミームコインで、そのベースとなるBRC-20トークン規格にオンチェーンL1が使われています。この新しいPEPEやORDIコインの爆発的トレードがトラフィック渋滞の原因となっており、mempool を memepool と呼び変える人も。なお、他にも同様のMEME, SHIB他のBRC-20ミームコインがあり、ネットワークに影響しています。
BRC-20はイーサリウムのERC-20をモデルにしたビットコイン上の実験的トークン規格ですが、その仕組みはスマートコントラクトを使用するERC-20とは根本的に異なります。詳しい仕組みはごっつさんが紹介されていたharuxxさんによるBRC-20の解説記事 をご覧ください。
真実はわかりませんが、BRC-20トークンはビットコインネットワークへの攻撃だと考えるビットコイナーもいます。L1がこのように使われるならば手数料を上げて対応することでミームコインを退場させたいというマイナーも。Ordinal技術を利用したビットコインNFTに加えて、さらにネットワーク負荷をかけるBRC-20ミームコインの流通は、金融インフラとしてのビットコインへの新しい挑戦と言えるでしょう。この負荷によりBinanceがライトニングに対応すると発表。様々なサービスでライトニング導入が早まることも期待されます。
参照記事:
https://finance.yahoo.com/news/ordinal-inscriptions-brc-20-tokens-024338960.html
https://news.bitcoin.com/bitcoins-brc20-token-economy-skyrockets-192-to-279-million-in-just-four-days/
ブータン王国のビットコイン採掘
ブータンはインドと中国に挟まれたヒマラヤの小さな王国。1972年より国の発展のバロメーターをGNP(国民総生産)ではなくGNH(国民総幸福)を基準にし、世界一幸せな国として知られています。年初には「観光税」の大幅アップもニュースになっていました。
破産宣告したBlockFi と Celsius の取引記録が4月半ばに開示されたことにより、ブータン政府の商業・投資部門であるDruk Holding and Investments (DHI) が、今まで公にすることなく暗号資産に投資していたことが判明しました。損害があったのではと噂されましたがDHIはその前に資産を無事に引き揚げています。
それだけでなく、実は2020年、ビットコインが $5,000の頃から、政府主導で水力発電を利用したビットコイン採掘事業を始めていたことが明らかになりました。この事実は今まで少数の関係者が知るのみで、国民も知らされていませんでしたが、コロナウイルスによるロックダウンで観光事業収入が途絶えたのがきっかけでした。採掘場所や規模は今も非公開です。
ブータンは冬の乾季には電力が不足することもあり、外部からのマイニング企業受け入れには慎重姿勢でしたが、Nasdaq上場したWu Jihan率いるBitdeer社がブータンでのマイニング事業を計画しており、DHIとのパートナーシップが成立した模様。Bitdeer社は100MW規模のデータセンターを来年秋ごろ完成させたいとしています。
参照記事:
https://thebhutanese.bt/dhi-confirms-that-it-is-mining-digital-assets/ https://www.forbes.com/sites/iainmartin/2023/04/30/bhutan-bitcoin-mining-crypto/
LNMesh:非常時のライトニング決済を可能に
実験段階ですが、災害や長時間停電でインターネットが使用できない環境でも無線メッシュネットワークを使用してコミュニティ内でライトニング決済を可能にするLNMeshの研究結果が発表されました。以下はその要約です。
インターネットに接続不可の場合、オフラインでのライトニング決済を可能にするインフラとして、ワイヤレスメッシュネットワークを構築し、近隣コミュニティのユーザーはこれを利用することができます。この論文では、まず Bluetooth Low Energy(BLE)と WiFi を利用したオフラインでのライトニング決済を実現する概念的な実装を紹介します。より多くのユーザーを抱える大規模なネットワークでは、ユーザーが移動することもあるため、ネットワーク内のチャネル割り当てを戦略的に行う必要があります。シミュレーションの結果では、チャネルに十分な流動性がある場合、提案した割り当てアプローチで最大 95% の成功率が達成可能であることが示されました。
参照記事:
LNMesh: Who Said You need Internet to send Bitcoin? Offline Lightning Network Payments using Community Wireless Mesh Networks (April 2023)
米国Fedi Inc. シリーズAラウンドで $17M USD を資金調達
ビットコイン上の Fedimints を活用したコミュニティ支援のための金融・データサービスを開発する米国の Fedi, Inc. (CEO Obi Nwos) は、シリーズAラウンドで1,700万ドル(約23億円)の資金を調達しました。
Fedi は「コミュニティや組織が Federated OSでお金やデータを安全に利用するための新しい方法を創造し、人間の最も基本的なテクノロジーであるコミュニティをビットコインのような自由な技術と結びつけ、人類をレベルアップする」とミッションに掲げています。
Federated OS ではビットコイン取引にライトニングを使用します。今回の資金調達ラウンドは Ego Death Capital が主導し、Block、Kingsway、Trammell Venture Partners、Timechainなどが参加。今回の資金調達により、Fediの資金調達総額は2,121万ドル(約28.6億円)に上っています。
参照記事:
https://bitcoinmagazine.com/business/fedi-raises-17-million-in-series-a-fundraising https://www.fedi.xyz/blog/we-can-build-our-own-future-fedi-gives-us-the-tools
Munstr: MuSig + Nostr
まだベータテスト段階とのことですが、Munstr (MuSig + Nostr) は以下の特徴を持つオープンソースのマルチシグウォレットになるそうです。
ターミナルベースウォレットに Schnorr 署名のマルチシグキーのコンビネーションを利用。
分散型 Nostr ネットワークを通信レイヤーとして使用し、チェーン分析で取引データの性質や設定を特定されないよう、暗号化された安全な方法でビットコイン取引にデジタル署名を付与し受送信できるようにする。
ブロックチェーン上では、Munstr の取引はシングルキーのPay-to-Taproot(P2TR)支出のように見える。
詳細はまだわかりませんが、Nostr プロトコルを利用するオープンソースウォレットが将来どのように進化するのか楽しみです。
参照記事:
https://www.nobsbitcoin.com/munstr-musig-nostr/
Summer of Bitcoin 続報
Terukoさんによると、以前ご紹介した Summer of Bitcoin の今年の応募者は 74か国から 10,350人だったそうです。オンラインで受けられるサマーインターンシッププログラムで世界中の大学生がビットコインを学ぼうとしているのは嬉しいですね。
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