米財務省のマイニングへの言及/Kraken Bankの開設
Diamond Hands Magazine Vol.66
th_satです。
Diamond Hands Magazine、ビットコインを巡るビジネス面・規制面の動向のまとめです。
ビットコインをめぐるビジネス面の動向(ペイメントや社会生活での利用や、金融機関での金融商品としての取り扱いなど)、規制の動向、その他で気になる個別トピックについて、ゆるく紹介しています。
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それでは、早速直近2週間のトピックを紹介したいと思います。
1. 規制関連の動向
米財務省、デジタルアセットマイニングに言及(出典)
米政権による2024年度歳入案の一般的な説明において、エネルギー税の改正の一環として、デジタルアセットのマイニングへの課税を提案しています。
マイニングのもたらす問題点として、以下3点を挙げています。
マイニングに関わる計算量は相当なものであり、それに応じて大量のエネルギーを必要とすることがある。
マイニングの成長に伴うエネルギー消費の増加は、環境に悪影響を及ぼす他、マイナーと電力網を共有するものにとってエネルギー価格を上昇させる可能性がある。
またマイニングの活動は移動も多いため、地域の公益事業者や地域社会に不確実性とリスクをもたらす。
マイナーの電力使用に対する税によって、マイニング活動を減らすことができるため、マイニングに使用する電気代の30%に相当する物品税を課すことを提案する、と述べています。
2023年12月31日以降に開始する課税年度から適用され、税率は、初年度は10%、2年目は20%、それ以降は30%と3年間かけて段階的に導入される予定です。
出典:米財務省
米Blockchain Association、米国におけるde-banking疑惑調査として情報公開請求(出典)
米国におけるクリプト企業の口座閉鎖や新規口座開設の拒否といったde-banking疑惑調査として、連邦預金保険公社・連邦準備制度理事会・通貨監督庁に対して、米国の業界ロビイスト団体Blockchain Associationが情報公開請求をかけています。
「クリプト業界は、次世代のインターネットと金融サービスを構築しており、何万人もの米国人の雇用を生み出している重要な仕事である」とした上で、「支払に銀行口座を必要としており他ビジネスと同様に扱われるべき」と主張しています。
トピックリスト
米政権、ハッキングされた企業の責任をソフトウェアメーカーや機器メーカーに転嫁しようとする動き(出典)
米FRB議長、銀行はデジタルアセットに関与することについて「かなり慎重になるべき」との見方(出典)
英国当局FCA、登録されている暗号資産事業者のうち、ATMサービスを提供する権限を持つものはないとの見方を示す(出典)
2.ビジネス関連の動向
Kraken、独自の銀行を立ち上げる計画を進めていることが明らかに(出典1, 出典2)
Krakenが、米ワイオミングを拠点とする暗号銀行「Kraken Bank」を開設するとしています(旧名称:Kraken Financial)。
ワイオミング州銀行局の監督を受け、Special Purpose Depository Institution(SPDI)として、規制の枠組みの中で、顧客の利益に焦点を当てた銀行と位置付けるものです。
米ドルや暗号資産(例:Bitcoin)の預金口座、複数の資金調達・支払オプション、機関投資家向けカストディ商品(アドバイザーや証券会社向けの適格カストディ)、IRAなどの商品を検討しているとのこと。
なお、米連邦預金保険公社FDICの預金保険に加入せず、預金保険の対象とならないとしています。
Kraken Bankのサービスは、まず米国Krakenの既存顧客に対して提供された上で、将来的には国際的に拡大する可能性があるとのことです。
なお、Krakenは、厳しい規制環境や、証券取引法に違反したという米国SECの告発を受けて、米国顧客向けのオンチェーンStakingサービスを最近停止しています。
出典:https://www.kraken.com/ja-jp/learn/finance/spdi-bank-charter
Block、マイニング開発キット(MDK)の構築検討を発表(出典1, 出典2, 出典3)
マイニング開発キットは、「ビットコインマイニング用ハッシュボード」「カスタムコントローラボード」「オープンソースのファームウェア、ソフトウェアAPI、ウェブフロントエンド」「参考資料とサポート文書」で構成されています。
マイニング用ハッシュボードは、カスタムメイドのコントロールボードや、Raspberry Piなどの簡単に入手できるサードパーティのコントローラと互換性があるように設計される予定とされます。
オープンソースのファームウェア、ソフトウェアAPI、Webフロントエンドにより、開発者はハッシュボードの主な性能パラメータを変更できるとのことです。
MDKについて、マイニングハードウェアのアクセシビリティとオープン性を高めることによって、この分野でのイノベーションを加速させる大きなチャンスだと考えていると述べています。
トピックリスト
Fidelity Cryptoが一般公開。Fidelity Brokerage口座開設の上でBitcoinやetherの取引手数料は無料(出典)
様子をみながら、少しずつ発信していければと思いますので、よろしくお願いします!