Diamond Hands Magazine、ライトニングネットワーク関連のニュースまとめです。
今週は、ビットコインの大型カンファレンス「Bitcoin 2023」がマイアミで行われています。
カンファレンスでは、米大統領選候補のロバート・ケネディ・ジュニア氏が登壇。
”大統領として、ビットコインを保有し使用する権利が不可侵であることを確かめよう”とビットコイン支持者であることを公の場でアピール。また、ケネディ氏の献金にビットコインやライトニングでも受け入れるとのことで、注目を集めています。日本では有り得ない光景ですね…。
その他にも、ビットコインに関する発表がたくさんありましたので紹介していきます。それでは、今週のライトニングニュースをどうぞ⚡
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重要リンク集💎🙌
Diamond Hands Wiki (ライトニングやルーティングに関するリソース集)
Lost in Bitcoin(ビットコイン学習リソース集)
StrikeのSend Globally機能、65か国で利用可能に
これまで3カ国しか利用できなかったStrikeのSend Globallyサービスが65カ国で利用できるようになりました。これにより、なんと30 億人以上もの人がライトニングを用いた国際送金サービスにアクセスすることができるようになりました。
Strikeのアプリは、単なるウォレットにするのではなく、ビットコインの売買機能などを追加し、多くの人々をビットコインに初めて触れれるよう目指すといった今後のビジョンも述べていました。ライトニングアドレスのサポートも行ったと発表。
また、Strike本社は、米国で高まる暗号資産の規制に反発し、エルサルバドルに移転しました。ニューヨークでの提供が規制により出来なくなった反面、エルサルバドルでは暗号資産を含むイノベーションのための企業誘致の法整備がされた模様。Coinbaseもアメリカから移転の検討をしていますね。この辺の規制による業界の変化も注目です。
※Send Globally
法定通貨をビットコインに変換し、LNを介して受取人に送金。送金されたビットコインは、送付先の現地通貨に即時交換され、ビットコインの知識がなくても利用できる国際送金サービス。
Taroプロトコル、Taproot Assetsに名称変更
ブロックチェーンスタートアップのTari Labs社から商標権侵害の訴えを受け、差し止め命令を受けていたLightning labsが、Taroプロトコルに関する最新リリースを発表しました。
商標権問題の影響でしょう、Taroという名称はTaproot Assetsに改名していました。
今回リリースした最新版では、ブロックチェーン上でアセットを送受信したい開発者向けにコア機能セットを提供。現在の機能はテストネットのみのサポートになりますが、近日中にメインネットもサポートされるようです。
なおLightning Terminalの最新リリースでは、Taproot Assets デーモンがパッケージ化され、テストネット版で利用可能とのことです。
Lava、ビットコイン上のDeFiプラットフォームを発表
金融テクノロジー企業Lavaは、セルフカストディウォレットとDeFiプラットフォームをローンチしました。
LavaのDeFiプラットフォームでは、ユーザーが持っているビットコインに対しステーブルコインを借入ができます。プラットフォームの仕組みにはDLCが用いられ、ビットコインネイティブなDeFiを構築しているようです。
同社は、ビットコインによる借入の他、ビットコインやステーブルコインの直接購入、シームレスな銀行口座送金、シンプルなトレードの提供など、ユーザー中心の金融体験を通じ、他のセルフカストディウォレットとの差別化を図るつもりだと述べていました。
Core Lightning、Umbrelアプリに登場
Umbrelアプリに、Blockstreamが開発しているLNノード実装の一つであるCore Lightningが登場しました。
これまではLNDのみしかUmbrelでは扱えなかったので、Umbrelユーザーにとっては大きなニュースです。Twitterの動画を見る限り、UIがかなり洗練されており、使い勝手も良さそうです。ただ気になる点として、LNDよりバックアップがやや面倒そうな印象を受けました。reckless。
あとCore Lightningの大きな特徴として、Bolt12のOfferが実装されています。
Offerは、LN決済する上でインボイスを使い捨てすることなく、同じQRコードを繰り返し使用することができます。プロトコルレベルからLNの利便性を向上させる優れた機能ですが、ノード実装シェアが圧倒的ナンバー1であるLNDが実装しないこともあり全く普及していません。
LNDユーザーにBOLT12の機能を与えるLNDKがリリース
上記で書いたように、LNDは頑なにBolt12の仕様を実装しません。(理由はよく分かりません…。)
それに痺れを切らしたのか、Bolt12の実装をプラグインとしてLNDに組み込むライブラリLNDKが、ある開発者達によって今週実験的にリリースされました。LNDユーザーでも、オニオンメッセージやルートブラインディング、Offerといった仕様が扱えるようになるということです。
プラグイン形式で実装できるとは思いもよらず驚きましたが、上手くいって開発や普及が進むきっかけになってくれればいいですね。
ZEBEDEE、LN統合できるAPIを一般利用可能に
ZEBEDEEは、無料オプションを含むサブスクリプションモデルで、ZEBEDEE APIを公開しました。このAPIにより、ライトニングを既存サービスに統合させることが容易になり、新たなLappsやSatsの活用例が出てくることが期待できます。無料からAPI利用できるため、個人用途のLapps開発でも気楽に利用できそうですね。なおトランザクションや製品数が多くなると、有料プランにする必要がありそうです。
また、ZEBEDEE API Dev Playground のリリースも発表しました。ZEBEDEE API をテストするための開発者プレイグラウンドで、実際のコードサンプルとして、貴重なリソースになりそうです。
Nayuta、ライトニングゲーム会社THNDRとの提携を発表
福岡を拠点としライトニング関連の開発を行うNayutaがTHNDRとの提携を発表しました。THNDRはSatsを稼げるゲームを提供することでアダプションを加速させようとしている会社です。
今回の提携により、THNDRが提供するゲームとNayuta Walletの連携ができるようになりました。ゲームで稼いだSatsをNayuta Walletにライトニング出金することができます。
※個人的にオススメのゲームはTetro TilesかClub Bitcoin
Nayuta WalletはノンカストディアルなLNウォレットですが、初心者にも分かりやすいUI/UXで、日本語対応もしています。また、THNDRのゲームは簡単にSatsが入手できるので、初めてのStack Satsとしてもオススメです。
現在Nayuta Walletでは、「新規ユーザー200名様限定で初回ウォレット使⽤時にかかる⼿数料が無料キャンペーン」を行っています。ぜひ試してみてください。詳細
その他のトピック⚡
💰取引所OKX、オープンソース開発者補助金プログラムに参加。Splicingを開発中のライトニング開発者に資金提供。
🛠️TBD、Web5プロジェクト向けのオープンソースのツールキットを発表
🤝IBEX Mercado、メキシコ最大の複合企業Grupo Salinasとの提携を発表。400万人以上のメキシコ人が、インターネットや電話料金をBTC払いできるように。
🔄Boltz、LiquidとLN間のサブマリンスワップのベータ版を開始
💰River、3,500万ドルもの大型資金調達に成功
📖LDKが構築されている事例を紹介したページを公開
💼Lightspark、LNウォレットを企業が顧客に提供できるよう設計されたLightspark Wallet SDKを発表
🎨DIBA、RGBを活用する初のビットコインNFTマーケットプレイスをローンチ