Diamond Hands Magazine、ライトニングニュースまとめ担当のごっつです。
今週末はスイスでカンファレンスPlanBが開催されており、その影響かライトニングに関するニュースが盛りだくさんでした。
また、ドローンによるド派手なビットコインパフォーマンスもあり、こちらでシェアしておきます。
それでは、早速今週のニュースです。
Diamond Handsコミュニティは国内外の関連企業から支援してもらっています。ありがとうございます!
スポンサーには個別に情報共有やインプットをしたり、ニュースレターやレポート上などで企業ロゴを掲載させてもらっています。
Wolf、ライトニングに特化したアクセラレータープログラムを開始
ビットコイン企業NYDIGの親会社である資産運用会社Stone Ridge Holdings Groupが、ライトニングに特化した企業を支援するスタートアップ「Wolf’s Clothing」を設立しました。
Wolfの申請に通ったプロダクトや企業には、8週間のアクセラレータープログラムや25万ドルの投資といった手厚い支援を行い、ライトニングの開発を一気に加速させていくとのことです。
アクセラレータープログラムは年4回行われ、最初のプログラムは来年4月に開始される予定です。第一期生の申し込みは早速開始されています。
詳細はこちら
Amboss、チャネル残高の共有機能を提供開始
https://ambosstech.medium.com/lightning-balance-sharing-and-network-statistics-32e687a4db25
Ambossがチャネル残高を報告、シェアできる機能を提供しました。デフォルトは従来通り非公開ですが、公開したい場合はThunderhubの設定から有効化できます。
チャネル残高の把握は、ライトニングの送金確率を高めたり、流動性の需要が高いところに流動性を配置できるというメリットがあり、ルーティングをする上でも需要があります。
現在チャネル残高の観測方法には、様々な送金経路を試しどこで失敗するかをノードが計測する「プロービング」と呼ばれる手法が用いられています。ただ、中継ノードが保存するデータ量の膨張などの悪影響が発生しており、それならばいっそ公開してしまおうというのが、Ambossによるアプローチです。
とはいえ、チャネル残高はプライバシーに関わるものなので、喜んで皆が公開するものでもないです。かといってプロービングも見方によればプライバシー攻撃と見なせますし、何がベストか今後議論されていくかと思われます。
ブロックチェーンを用いず、トークンを発行できるP2PプロトコルPear Creditを発表
https://tether.to/en/tether-holepunch-and-synonym-launch-pear-credit-a-p2p-credit-system/
先週のImperviousに引き続き、ライトニング × P2P系のトピックが話題になっていました。
SynonymとHolepunch、Tether社が合同で、P2PプロトコルPearCreditを発表。ブロックチェーンを用いず、P2Pネットワークにあらゆる企業がトークンを提供できるとのこと。
ブロックチェーンを使わずトークン発行??と正直ピンと来てないのですが、開発者ツイートによるとP2PのDHT機能とLNの即時トランザクションを用いて可能にするようです。
また、Holepunchは、P2Pアプリケーションを容易に構築するプラットホームを開発しているのですが、ちょうど今週、最初のアプリケーションKeet(P2Pのビデオチャットアプリ)にライトニングが組み込まれました。P2Pネットワークでの実験、また実用化に向けて意欲的に取り組んでいるといった印象で、現在行われているカンファレンスPlan Bでも積極的にマーケティングしており、勢いを感じます。
Zero Fee Routing、ライトニングノードを停止
ルーティング界隈に激震が走りました。Zero Fee Routingという大手ルーティングノードが停止することを発表。理由は子育てへの専念のようです。(個人ノードだったの!?)
Zero Fee Routingは、名前の通り手数料がゼロに設定されており中小ノードにとってはハブ的な役割をもっていました。今後Zero Fee Routingが抜けた穴をどのノードが埋めることになるのか、ルーティング環境が大きく変わりそうです。
役立つ記事や特集をピックアップ⚡
・RGBアセット対応のモバイルウォレットIris walletがリリース
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.iriswallet.testnet
ついにRGBに対応したモバイルウォレットが登場。NFTが早速お試しで発行されています。
テストネット バージョンとメインネット バージョンの両方で利用できますが、バグが発生する可能性があるのでくれぐれも注意してください。
・ビットコインにZKロールアップ型のソリューションが提案
ZKロールアップ型のレイヤー2ソリューションをもたらすコンセプト「Validity Rollups(VRUs)」が提案されました。詳細は追えてませんが、ライトニングとは異なるアプローチのレイヤー2技術となりそうです。
CoinPostさんの下記記事をご覧ください。
ビットコインの取引処理を100倍効率化するプランとは 「ZKロールアップ」型の提案
・Bitcoin Beach Wallet、ドル建てステーブルコインに対応
Bitcoin Beach Walletに待望のStablesats機能が導入されたようです。
StablesatsはGaloy社が開発しており、ビットコインを担保に裏でデリバティブ取引することで、ステーブルコインをウォレット利用できるようにしたものです。
エルサルバドルの一般層にリーチできるか、期待のプロダクトです。
・Umbrel新バージョン0.5.2がリリース
Umbrelのアプリストアに、申請なしで誰でもアプリを公開できるようになりました。
見ず知らずのアプリをインストールするのは懸念事項が多そうですが、コマンドラインをいじる必要がなくなるのは非常に便利ですね。他にもTorのリモートアクセスへの無効化ができるようになってます。
・Kollider、3つのプロダクトを正式に発表
https://blog.kollider.xyz/announcing-kolliders-launch/
Kolliderから下記3つのプロダクトについて正式な発表がありました。235万ドルの資金調達も行い、今後更なる飛躍を遂げそうです。
- 世界初のLightning ネイティブ デリバティブ取引所Kollider Exchange(これまではベータ版だった)
-デリバティブを使用し法定通貨建ての価格安定性を提供するKollider Synthetic Stablecoins
- ブラウザベースのLNウォレット Kollider Wallet
・LN決済+匿名配送のネット通販サイト「たがえる商店」がオープン
代理購入という特徴的なサービスを販売し、日本円で決済できるあらゆる通販は理論上LN支払い対応できることにしています。決済とルーティングを組み合わせた試みも面白いです。
詳しくは下記記事をご覧ください。
・ラズパイが入手できない方たちへ
カブトコインさんによる古いパソコンでUmbrelをインストールする記事
古めパソコンにUmbrelをインストールする方法[資材用意編]
・安土さんによるTaroオンチェーンアドレスの仕様に関する記事
・Nayuta上野さんによる記事
Lightning Networkの基本 (5) - amount の転送について
今週はここまで!それでは、Enjoy LN⚡