※こちらの記事は元々ライトニング決済のプリペイドVisaカードで外国為替手数料の削減方法について紹介したものです。が、後日日本で円決済で店舗利用なども出来ることにも想定外に需要があったので、後日追記しました(23年3月1日)
さて、今回からちょっとしたシリーズとして、日本からでも使えるライトニングの実用的なユースケースをいくつか紹介しようと思います。
自分はライトニング関係の開発やルーティングをやっているので、日常的にライトニング決済やチャネルマネジメントでSatsを稼いだりなどをしていますが、そもそもライトニングで直接的に出来ることがないと感じている人たちも多いと思います。
これは真っ当な指摘だと感じており、実際ライトニングは現時点で何が出来るのか、何の役に立つのか、というのは細かく見ている人ではないとあまり明確にはわからないですよね。DeFiやNFTのように何となく誰にでも出来る使い方がわかりやすく存在して、うまくいくかは別として儲けなどの幻想を抱きやすいものとはちょっと違います。
というわけで、「正直ライトニングで実際何が出来るのか?」という素朴な疑問に少しづつ回答していこうと思います。記念すべき第一回は、通常約2〜3%かかってしまうクレジットカードの為替手数料をライトニング決済を使って大幅削減する、というユースケースを紹介します。また、Apple Payなどと組み合わせることで、同様の方法で日本の店舗などでもプリペイドカードを使った決済が可能になり、間接的にビットコイン払いで日常生活が出来るようにもなります。
クレジットカードと為替手数料の闇
ライトニングの話に入る前に、そもそも皆さんクレジットカードと外国為替手数料含む手数料の闇についてご存知でしょうか?
自分も別にめちゃくちゃ詳しいわけではないですが、クレジットカードには普段認識しづらい形で隠れたコストがかかっていることが多々あります。
その中でも今回やり玉にあげたいのが、外国為替手数料(外貨取扱手数料)。
これは簡単に言えば日本の銀行と日本円に紐付いている日本で発行したクレジットカードを、海外旅行や外貨建ての海外のサービスへの支払いで利用すると、裏で円をドルなどに変える際に平均2〜3%ほどの為替手数料が追加で発生している、というものです。
日本で生活して日本のサービスやお店でだけクレジットカードを使っている場合は特に心配する必要はないコストですが、コロナ後の生活で海外に旅行に行ったりすることが増えたり、サーバやドメイン、海外のオークションサイトなどを利用することも日常的にある中で、3%弱という手数料は地味に大きいです。
業界内では、アルトコインを販売所で売買していてものすごいひどいスプレッドの手数料を知らぬ間に払わされている初心者ユーザーを揶揄することもありますが、ある意味では我々は普段からクレジットカード会社などの養分にされているわけです。全く笑えない話です。
なにより、クレジットカード会社はこういう手数料を微妙にわかりづらくしたり、微妙に見づらくしたりしているのが個人的にかなり「悪質」だと思っています。中にはそもそも手数料が抜かれていることに気づいていない人もいると思いますし、手数料を取られている認識はあっても何にいくら具体的に手数料が発生しているのかがすごく不明瞭なので、1ユーザーとしてもすごく気持ち悪いです。
そこでライトニング決済を使えば実はこの不要な外国為替手数料を削減出来るのでは?というのが今回のユースケースです。
ライトニング決済でギフトカードが購入出来るThe Bitcoin Company
The Bitcoin Companyは平たく言えば、めんどくさい本人確認など不要でビットコイン&ライトニング決済で各種ギフトカードやプリペイドカードを気軽に購入しつつ、ビットコインでキャッシュバックがもらえるサービスです。
同様のサービスはBitrefillなどが昔からありますし特に難しいコンセプトではないのですが、このThe Bitcoin Companyは他のサービスと比べて手数料が安く、かつアプリからすごく快適に利用することが出来るため、日本からでも実用的に使えるユースケースだと個人的に認定しました。
特にギフトカードだけでなく、世界的に使えるVisaのバーチャルプリペイドカードが便利で、これをライトニング決済で購入することでクレジットカードだと3%弱ほどかかる為替手数料を実質1%以下にまで引き下げることが可能になります。
また、The Bitcoin Company上で買ったVisaプリペイドカードをApple PayやGoogle Payと連携させることで、オンライン決済だけでなく日本円を使った店舗での決済などにも利用することが出来ます。
このような形で利用する場合は決済ごとに上記のドル円の為替手数料が2〜3%程かかってしまうのでそこだけは注意ですが、ライトニング決済で間接的に日本で店舗決済が出来るというユースケースも人によっては便利かもしれません。
どんな人向け?
Amazon USやEbayなど海外のショッピングサイトで商品購入をする人
ドル建ての海外のドメインやサーバ、SaaSなどを利用している人
アメリカへの旅行や出張時に無駄な手数料を払いたくない人
資産の多くをビットコインで保有しており、ビットコインを使って出来るだけ日常用品を買いたい人(Apple Pay/Google Pay経由)
上記かつすでにビットコインを持っていることが何となくの前提になるので、割と対象は絞られる気はしますが、自分も日常的に海外のSaaSサービスは使いますし、先日もEbayで買い物して海外輸送したこともありますし、このニュースレターを読んでいる人の中には案外対象者はいる気がします。
ちなみにこちらのサービスはアメリカの会社ですが、Diamond Handsでも色々お世話になっているフルグルさんも投資しています。また社長がインタビューに答えているポッドキャストも聞きましたが、どうやら彼は元Visaの会社の中でクリプト担当をしていた人で、それもあってクレジットカードなどの仕組みも熟知している人のようです。
The Bitcoin Companyアプリの使い方紹介
というわけで特にUSD建てのVisaプリペイドカードの購入の仕方と、具体的な使い方や注意点を紹介します。これに沿ってやってもらえれば、メール登録だけで簡単にライトニング決済でVisaプリペイドカードを購入し、クレジットカードにかかる為替手数料を削減出来るようになります。
The Bitcoin Company公式サイト(AndroidとiOSのアプリインストールリンクあり)
Google Play/AppstoreからThe Bitcoin Coのアプリをインストール。
アプリのフローに従って、とりあえずアカウント登録してください。メールアドレスとパスワードだけです。(この時に招待コードを使うとお互いにボーナスがつくのですが、このニュースレターの最後に書いてあるのでそれを是非使ってください)
直接は関係はないですが、このハニーバッジャーの会社のロゴや色もかわいいし、全体的にデザインセンスが結構ある感じがしますね。
無事に登録できて、アプリのホーム画面に入れました。登録ボーナスで21Satsもらっているようです。このトップ画面の下の方のVisa(INTL)という画像をクリックしましょう。
こんな感じでプリペイドカードの購入額を決めてください。最低10ドルから最大750ドル分までVisa virtual prepaid card(International)を購入できます。今回はテストなので10ドルで行きます。
進んでいくと確認画面が出てきます。
自分がテストをした時点では10ドル分のPrepaaidカード購入に、43,811Satsのコストがかかります。また、購入後89Satsがキャッシュバックされます。
ここで気をつけなくてはいけないですが、このドルとBTCの変換レートにThe Bitcoin Company側が徴収する費用が乗ってくるので、実際にどれくらい手数料を取られているか計算する必要があります。
というわけで自分の方でやってみました。キャッシュバックも含めると10ドル分の実質的なコストが43,722Sats、テスト時点でのCoinGecko上での10ドル分のビットコインは43,402Satsなので、計算すると市場レートから約0.73%のスプレッドが乗っていることになります。
ちなみに金額が大きくなるとどうなるか一応750ドルで同様にチェックしたところ、費用は約0.99%でした。これはタイミングや時期などによっても変わるかもしれないですが大体0.5〜1%の手数料がとられているという認識でいいと思います。
さて、この手数料が高いかどうかはそれぞれの感覚次第ですが、本来の目的である通常2.5〜3%くらいかかるクレジットカードの為替手数料削減をしようという目的は達成していますね。単純な手数料だけで見るとクレジットカードの3分の1くらいになる計算です。
というわけで支払い金額などが問題なければ次のページで実際に支払いましょう。ライトニング支払いがデフォルトなので、Invoiceをコピーしてライトニング対応ウォレットから送金しましょう。ここらへんは一旦ライトニングウォレットの使い方などをわかっていることを想定します。(これからライトニング決済をしたいという人の最も簡単な始め方、という記事は別途後日書きます)
無事送金が完了すると、このような画面が表示されます。この「Challenge Token」というのは簡易的なパスワードみたいなものなので、青字部分をクリックしてコピーした状態で、「View Card」を押しましょう。
こういう感じの画面が出てくるので、下のフォームにさっきコピーしたChallenge token「BBAなんちゃら」に該当するコードを貼り付けて、「View Gift」をクリック。
ちなみにここまでに到達する前に、住んでいる国やVPNの設定次第ではエラーが出る可能性があります。エラーが出たらネットワーク環境を変えたり、ごちゃごちゃやれば問題なく入れるようになると思います。日本からの使用は基本問題ないです。解決できない場合はサポートに連絡すれば割と丁寧に対応してくれます(実は自分も一回目問題があってマニュアルにサポートしてもらった)
無事にカードの情報ページにログインすると、このようなページで自分のバーチャルカードの番号や残り残高などを確認できます。
後は上記のクレジットカード番号をAmazonや関連サイトなどに入力すれば、問題なく使えるはずです。なお、元々氏名など不要なプリペイドカードなので、利用するときに名前や住所の入力を求められることがありますが、別に正確な情報を入力しなくても問題なかったです。
サイトにもよるかもしれませんが、Amazonで使うときに試しに「Satoshi Nagatomo」で入力しましたが問題なかったです。が、推奨されるやり方かどうかは知りません笑
なお、上記はテストで使った自分のバーチャルクレジットカードのカード番号などを晒していますが、すでに全てギフトカードに変換済みです。なので悪用はあきらめてください笑
というわけで上記のようなフローで、色んなサイトで使えるドル建てのVisaプリペイドカードをライトニングで購入できます。現状の実質手数料も1%以下なので、ドル建ての海外のサイトやサービスを多く利用する人はこちらのプリペイドカードを使うことで、Feeを節約することが出来ると思います。何よりわけのわからない為替手数料などが知らぬ間に取られている通常のクレジットカード支払いと比べて、個人的には安心感や明瞭さがあり気分がいいです。
一点注意ですが、こちらのプリペイドカードはドル建てなので、日本のウェブサイトでもクレジットカード的に使うことは出来ますが、円建ての買い物をすると前述の2.2%+固定費の手数料が追加でチャージされてしまいます。使い方はそれぞれ次第ですが、通常はドル建てのものの購入利用を推奨します。
というわけで興味がある人は是非試してみてください。
そして最後に紹介者と被紹介者両方にボーナスがあるアフィリエイトコードがあるようなので、是非使ってください。コードはパスワードを作る時に入力する必要があるようです。
コード:T0C0KR
リンク:https://links.thebitcoincompany.com/Y5Kd
正直に言えばこちらのコードからの売上はそこまで期待してないのですが、仮にコードを使うユーザーが多ければ、「日本からのユーザーが増えている」というアピールと自分が送客したという実績が作れます。それを利用して日本語対応や、日本で使えるギフトカードやプリペイドカードの追加を要望したいな、というのが自分の目標です。
というわけでThe Bitcoin Companyでライトニング決済を使ったクレジットカード手数料の削減の話でした。
他にも去年からライトニングを使った国際送金の改善などの実用的なユースケースがいくつも出てきており、日本からでも使うメリットが十分にあるものに関しては今後も紹介しようと思います。
後日追記 注意点
こちらの記事公開後、いくつか質問やフィードバックをもらったので追記、一部注意点についても書いておきます。
カードの有効期限
上記のプリペイドVisaカードの使用期限は半年〜8ヶ月ほどなので、一旦買った後に使用しないでとっておくと失効してしまう可能性があるので、それは注意。期限が切れそうになったらAmazon USのギフトカードなどに変換して、期限切れしないようにすることを推奨します。端数の問題
プリペイドカードの問題として全ての金額を使い切れなくて端数が残ってしまう問題があります。個人的にはAmazon USで洋書のKindleを買ったりすることもあるので、端数はAmazonで1セント単位でギフトカード化する、というテクを使えます。アマゾン使わないという人は、うーん、何か他にいいやり方あればむしろ是非教えて下さい。海外からのアクセス/VPNの利用
海外居住のユーザーから、プリペイドカードの残高確認画面に入れなくなってしまったなどの報告がありましたが、VPNを使って日本のIPアドレスを経由してアクセスすれば問題なく使えるはずです。国によってはこのような制限があるため、海外居住者は念の為ですが購入時、その後の残高確認する時などはVPNで日本やアメリカのIPなどからアクセスすることをオススメします(ちなみに台湾でも同様の問題があった)
なお、それでも問題が起きてしまった場合は、カスタマーサポートに問い合わせれば、マニュアルに返金や、ギフトカード付与に対応してくれるのであまり心配する必要はありません。
Kojiさん、お久しぶりです。
ずいぶん昔、bitcoinで生活してみるという記事を読んで、果てしなくときめいたのが良い思い出。
最近ライトニングに興味を持ち、試し始めたので、タイムリーでした。ありがとうございます。
Counterpartyに今も持っている様々なトークン、発行者の皆様はいずこへ?
We've come a long way.
これからもよろしくお願いします。