今回から何回かに分けて、JVCEAが公開している日本の取引所(交換業者)の取引データをチャート化しつつ、色々考察していこうと思います。
今回はまずは一回目ということでシンプルなチャートから入りますが、今後継続的に改善、より精緻な分析をしていこうと思います。(一応データの正確性はある程度チェックしていますが、もしミスや誤植などがあれば後日修正します)
また、今回のニュースレターからテストも含めて有料ゾーンを作って、一部そちらに少しぶっちゃけたダメ出しなども書いているので、興味のある人は覗いてみてください(最初の7日間は無料にしています)
仮想通貨現物取引高の推移
ソース JVCEA統計情報ページ
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こちらは直近1年の合計現物取引高の推移です。
最新の2023年の6月は全ての銘柄合計の現物取引高は6686億円で、直近の底になっている22年の12月の約3422億円と比較すると約2倍近くにまで取引高は回復してきています。(各コインのシェアについては後述)
要因としては非常にシンプルな話で基本的にはビットコインの価格とかなり密に相関して取引高は推移するので、価格が上がってきている、というのが主でしょう。ちょうどビットコインの価格もきれいに22年12月に底をついてその後上昇基調です。
もう少し長いスパンで、2018年からの日本の現物取引高を見ると、
2021年の5月に現物取引高は5兆円を超えて以降基本的にはまだ下降傾向にあります。
最近取引所の決算が出て、各社赤字を出していて苦しい現状が見える、という話がTwitter上などでも話題になっていましたが、特に2021年と比べると中々苦しい状態が現物取引高の推移からも見て取れます。
また、取引高はこの1年で回復傾向にある言いましたが、Googleの検索トレンドを見てみるとビットコインに関する一般的な関心はまだほとんど戻って来ていません。確かにツイートや動画を出しても中々視聴数などは伸びないし、まだ無関心ゾーンに近い気がしますね。
ちなみに日本だと最近もWeb3関係の大きなイベントが連続してありましたし、盛り上がりを見せていますが、検索数でいまだにビットコインの10分の1もないんですよね。これは次の現物の取引高のシェアと業界の闇の話にもつながります。
暗号資産現物取引高 コインごとのシェアの推移
先程とデータは同じですが、取引高のマーケットシェアの推移を見ていくと、興味深いトレンドが見えてきます。
まず2018年〜2019年に約50%だったビットコインの取引高シェアは、XRPの没落もあり2020年5月には一時期9割を超える水準まで上がりました。
その後2021年〜22年のNFTバブルもあり、ETHのシェアが少しづつ上がっていっていますが、去年からビットコインの取引高シェアは少しづつ回復してきています。23年6月の最新データ時点でビットコインの取引高シェアは75%です。
ビットコインが75%のシェアという数字についてどう感じますか?自分は正直イメージしていたより、かなり高い気がしました。
特に業界関係者はWeb3だ、NFTだ、というところに注目している人が多いですが、少なくとも現物取引高だけで見るとビットコインのシェアはむしろ国内でも7〜8割くらいまで戻ってきているのは少し意外です。
ビットコインのシェアの高さに隠された構造
さて、ビットコインの現物取引高シェアが想像以上に高かったのは、ビットコインを推進している自分たちにとっては朗報ではあるのですが、ただこの数字だけに騙されてはいけません。
そもそもビットコインの取引高が大きい理由の一つとして、コインチェックを筆頭に国内ではビットコイン以外の銘柄について板取引を提供しておらず、販売所形式でその他のコインを売っている会社が多いことをまず知らなくてはいけません。
そしてこの販売所で形式で売られているアルトコインにはかなり大きなスプレッドが乗っており、それが取引所/交換業者の大きな収益源の一つになっているという事実があります。
つまり、ビットコインの取引高シェアが他のコインと比較して高いとしても、その大部分は板取引を主戦場とする一部のトレーダーが作っているものであり、必ずしもその他のコインとの相対的な強さや業界人からの関心の強さを示すわけではありません。
と言いつつも、検索トレンドもそうですが、「なんだかんだ一般の人はビットコイン以外のものはよくわかってないし、とりあえずビットコインを買っている」というようのも間違いではないでしょうし、JVCEAのデータからも類推できます。
他にもJVCEAが公開しているデータで面白い時系列データはいくつかあるので、それらは後ほどまたチャート化、分析していく予定です。
ここから先はボーナス・コンテンツです。
まだ公式にはちゃんと告知していませんが、現在Substack上でDH Magazineの有料版の公開を準備しています。
今回テストも含めて少しフライングでおまけの有料ゾーンを作ってみました。興味のある人はDiamond Handsの支援の意味も含めて是非早めにPro版にも登録をお願いします。
今回の内容としては、
日本のビットコイン VS アルトコインの実力値をより正確に把握する方法
現物取引高の数字と日本の市場の現状について個人的に率直に思うこと
などについて書いてます。
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