Diamond Hands Magazine、ライトニングネットワーク関連のニュースまとめです。今週もよろしくお願いします⚡
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Lost in Bitcoin(ビットコイン学習リソース集)
LN-Liquid間のアトミックスワップサービスが登場
ここ数週間手数料の高騰で、LSPやノード運営たちはLN-オンチェーンBTC間のスワップサービスやリバランスを控えさせる要因となりました。
こうした高額なオンチェーン手数料を回避するために、BoltzはLiquidネットワークによるL-BTC経由のスワップサービスを発表しました。オンチェーンBTCの代わりにL-BTCにシフトすることで、オンチェーン手数料を払う必要がなくなる、という経済的には理にかなったサービスとなっています。
しかし、L-BTCを扱う取引所や事業者がほとんどいないというのが現状で、昔からあるサイドチェーンにも関わらずあまりユーザーが増えていない、といった事情があります。(この件に関して、以前ビットコイン研究所で加藤さんが詳細を記事にしていました。)
果たしてこれを機に、Liquidへとユーザーが上手く流れ出すでしょうか?今回の発表に関して、Twitterの反応はそこそこ好意的で、実際にテストしているユーザーもいます。Liquid運営の動きも最近活発で、モーメンタムを形成しつつある雰囲気なので今後に注目しています。
Liquidは最も長い歴史を持つ取引所間で運用されるサイドチェーンで、ビットコインと 1:1 でペグされた Liquid Bitcoin (L-BTC)やステーブルコインL-USDが流通されています。
チャネルマネジメント不要のレイヤー2プロトコルArkが発表
昨年LNDのバグを2度つき話題となった開発者Burak氏が、新たなレイヤー2プロトコル「Ark」を発表し注目を集めています。Burak氏はライトニングネットワークに批判的な開発者で、流動性の確保が必要な点はLNのバグだと考えていました。そうした背景で、チャネルマネジメントが不要なレイヤー2プロトコルを開発し始めたとのことです。
このArkでは、流動性確保やチャネル開閉という概念がないため、オンチェーンへ残す足跡がLNに比べて少なくなり、プライバシーも圧倒的に向上すると述べています。
Arkでは、4週間後に失効する期限付き紙幣のような仮想UTXO (vTXO)をチェーン外で送受信します。送金が行われると、既存のvTXOは破棄し、新しいvTXOが作成されます。(これらはASPと呼ばれる仲介者サーバーで処理されます。後述。)
利用したいユーザーは、既にvTXOを所有している他の人からvTXOを受け取るか、「リフティング」と呼ばれるプロセスによって、オンチェーンのUTXOをvTXOに変換して利用することができます。リフティングは、オンチェーンUTXOとvTXOとの間を2wayペグを介することで、オンチェーンの価値をオフチェーンで再現する(リフトさせる)ことです。
また、Arkのシステムには、Arkサービスプロバイダ(ASP)というトラストが発生しない常時稼働のサーバーが用いられます。流動性を提供するライトニングサービスプロバイダのような機能を果たし、新規のvTXO作成や期限切れとなったvTXOの処理などをオンチェーンにある資金やコインジョインを用いて行うようです。
欠点としては、ユーザーが数週間ごとにオンラインになり、コインを「更新(refresh)」させる必要があるということ。また、下記のような疑問が個人的に残りました。
・ASPサーバーの維持は誰がするのか?インセンティブはあるのか?
・検閲耐性は十分にある設計なのか?
詳細な説明は今後さらに明らかになっていくと思います。現段階の情報はこちらのサイトから閲覧できます。
未承認TXを優先的にブロックに取り込むサービスが物議
ビットコインエクスプローラーのmempoolは、mempool acceleratorという新しいサービスを発表し、物議を醸しました。
このサービスは、未承認トランザクションをブロック内に優先的に取り込んでもらう場合に使用します。mempoolのウェブサイトから「Accelerate」ボタンを押し、追加分の手数料をmempoolと協力しているマイナーに直接支払うことができるというサービスです。
批判的な意見として、下記のような指摘がありました。
RBFやCPFPと異なり、オープンプロトコルでない。mempoolだけのサービス。
サービスが成功し規模が拡大すると、メインプールから適切な手数料の見積もりが難しくなる。
mempoolと協力しているマイナーは、不当な優位性を持つ可能性がある。 協力していないマイナーは、このサービスによる手数料収入は受け取れず、中央集権化の要因ともなりえる。
といった感じで、mempoolがメインプールを壊すという批判が見られました。
一方で、肯定的な意見としては、
CPFPやRBFでの面倒な手数料計算が不要で、使い勝手がいい
ライトニングの新たなユースケース。オンチェーントランザクションを新たに作成する必要がない。
といった意見でした。
肯定派も否定派の意見も両方分かるので複雑な心境ですね。このサービスはまだ始まっておらずデモ動画がTwitterで流れただけです。今後の展開について、詳細を待ちましょう。
2024年、世界最大のビットコインカンファレンスがナッシュビルで開催決定
2024年7月25日から27日まで、世界最大のビットコインイベントである「Bitcoin Conference」がテネシー州ナッシュビルで開催される予定です。ナッシュビルでのビットコイン普及を重視し、業界の専門家や企業を一堂に集めることを目指しています。
カンファレンスのチケットは現在公式ウェブサイトで購入できるようになっています。
その他のトピック⚡
💊Fediのアルファ版、実験用としてリリース
☄️Core Lightning v23.05、リリース
🏦Bitrefill、LNを用いたログインサービスを開始
🌐Voltage、Google Cloud と提携してホスティング拠点を拡大